金曜日になりました。酒丸です。
1月の小寒と大寒に挟まれたこの時期、一番寒い。
逆に言えばココを過ぎてしまえば、この先は暖かくなる一方。
後少しの辛抱ですな。
なので後少しを乗り切る為に、
このところのドライボーンズの傾向と対策を(笑)
グランパシャツというモノをご存知?
正確には”GRAND PAPA(グランパパ)SHIRT”とか、
“GRAND DAD(グランダッド)SHIRT”とか、
“GRAND FATHER(グランドファーザー)SHIRT”とか
呼ばれる類いのもの。
いわゆる「ウチのお爺さんが着てたシャツ」という…
「微妙なネーミング」のシャツの事なのだ。
最近、この手を復活させていく事が楽しみのひとつ。
以前は古着屋さんでもほとんど見かける事が無かった。
なので、私はヨーロッパに出張に行った際に購入する事が多かった。
ところがこのところ、ヴィンテージショップでも
「なかなかの高額商品」になりつつある。
1900〜1930年代頃くらいまでのモノが多い様だ。
もう100年位昔の物、という事であり、
文化的にも「絶滅危惧種」である。
例えばこんな感じの物。
特徴としては…
着丈が長く、裾の前合わせがラウンドしたカットになっており、
プルオーバーのものも多い。
そしてスタンドカラーか、別襟が付くものもある。
なので襟のアップ。
左はクレリックカラーの様に白い別生地になり、
セパレートの襟にはダブルボタン。
右は共地の襟に金具のドットが付くタイプ。
どちらも20年ほど前に、イギリスで購入。
おそらく1920〜30年代くらいのもの。
これに倣って色々と商品を展開してみた。
まずは…
セパレートの別襟が付くシャツ。
身頃と同じ襟と、クレリックカラーになる白地の襟、
2つの襟が付く。
裾の前合わせもラウンドさせて、クラシックな雰囲気。
ストライプも敢えて古臭い柄を選んでみた。
そして…
スタンドカラーを活かした、その名も「グランダッドシャツ」。
正確にはスタンドカラーよりも細く、寝かせる様なパターン。
なので変に格式張っていない。
よりクラシックなワークスタイルに近い。
更に…
クラシックなラウンドカラーシャツ。
1910〜20年代のワークシャツに見られる、
小さなラウンドカラーを装備。
裾の前合わせもラウンドさせて、
敢えて重厚な真鍮ボタンを使ってオールド感を演出。
ヴィンテージではこんなものも見つかる時が有る。
これも一種のグランパシャツ。
スタンドカラーで前身とカフスのみシャツ地を使っている。
身頃はなんとカットソー。
ストライプのシャツ地が、ブザム(イカ胸)状態で貼り付けてある。
スランドカラーではあるが、おそらく別襟が付いていた筈。
グランパシャツはイカ胸仕様のものも多い。
なのでこれはお勧め。
プリーテッド グランダッドシャツ。
プリーツの入ったイカ胸を付けた、プルオーバータイプ。
私も既に購入したが、かなり着回しが効く万能タイプ。
ブリーンラベルでも…
ドビー織りを使用したブザムシャツ。
プリーツは無く、ただ単に切り替えてあるので着易い。
グリーンラベルなのでちょっとシャープなシルエット。
プルオーパーにも見える前開きがクラシック。
他にワインカラーもあり。
同じくグリーンラベルで…
ホワイトの生地を使ったブザムシャツもある。
ホワイトなので清涼感もあるが、
敢えてワークテイストに気崩すと、白シャツはカッコいい。
素材もコットンドビーで表情が有るので、カジュアルにも着られる。
変わり種では…
ブザム部分を大きく裾まで切り替えてみた、
プリントブザムシャツ。
デッドストックの生地だった為、いかに効率良く使うか?を考えて切替。
プリントそのものはゴージャスだが、
ブラックのみの展開でちょっとラテン調な感じ。
グランパシャツの中には、
“GRAND PAPA SINGLET”と呼ばれるアイテムも存在する。
シングレットとは、直訳すると「肌着」という意味。
後ろの2つはウール混のメリヤス、
手前はミリタリー物。なんとカフスが付く。
総称するとプルオーバータイプのヘンリーネックの事で、
イギリスでは「WOOLEN VEST(ウーレンベスト)」とも呼ばれる。
ネームにもしっかりと「50% WOOL,50% COTTON」と表示。
これ等のシリーズ、当時は暖かさを追求すればウール混になったのだろうが…
着ているとチクチクして痒くなってくるのだ(これが苦手な日本人は多い筈)。
なので…
見た目のイメージだけ貰い、
クラシックなストライプの鹿の子地のヘンリーネック。
前立てにのみ布帛を使う事で、クラシックな感じが出る。
長袖で鹿の子素材、全シーズン対応。
もう1種類は…
アシンメトリーな顔をしたヘンリーネック。
コチラの素材はコットンのミニ裏毛という素材。
非常に暖かく、伸縮性に優れている。
残り僅か(ワタクシは両色とも購入)。
この寒さ、今年はコレでしのいでおり。
そしてこの人も購入してくれた。
ライトニングやクラッチを出版しているエイ出版社の、
今や「お偉いさん」になってしまった松島くん。
まいどあり〜!
1921年のシアーズにはこんなページもあった。
当時はセパレートカラーの襟だけも販売されていた。
当時の襟は芯の部分にセルロイドを使用していたので、
劣化も早かったのだ。
意外な歴史が面白かったりもする。
ではまた来週!
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