2022年清明の酒丸。

 

 四月五日の晴明が過ぎました。

「晴明」とは…

万物が清らかな様子を表した「清浄明潔」という言葉を訳した季語。

花が咲き、蝶が舞い、空は青く澄み渡り、

爽やかな風が吹く頃です。

近所のお城が建ってる公園では、桜が満開の季節を過ぎました。

胴吹き桜から城を透かすの図。

うちの庭でもモンシロチョウが乱舞しており、本当に良い季節。

あ、もうちゃんと畑に取り掛からなきゃ…。

 

という訳で、今回はファーマー御用達のオーバーオールについて。

 

 

 ファーマースタイルのオーバーオールと言って思い出すのは、

この有名な映画。

そう、「怒りの葡萄(The Grapes of Wrath)」

1930年代の旱魃と砂嵐で職を追われた貧民農民層と、

それをきっかけに機械化を進める資本家との戦いを素材とした映画。

前編白黒映画で、

重苦しくて顔まで痛くなりそうな乾燥した雰囲気が伝わってくる。

 

主人公のトム・フォード(ヘンリー・フォンダ)は、

フロントにビブが付いたオーバーオールを着ています。

1930年代頃から現在に至るまで、

連綿と続くアメリカンファーマースタイルの代名詞。

そして恐らく、そのイメージとはこの映画で決定的になったのだと思うのです。

 

ところが、

天邪鬼なドライボーンズとしてはしばらくこの形を作ってきませんでしたね(汗)

 

もっと古いオーバーオールをイメージした、

シンチバックル・オーバーオールズ

フロントビブのアップ。

バックスタイル。

その名の通り、大きなシンチバックルが印象的。

そして分かりづらいんですが、左右のポケットの形を変えてます。

まだモノづくりが不安定だった頃の工業製品をイメージ。

そして1900~1920年代頃をイメージしているので…

まだ交差したハイバックは付いていないのです。

細目のショルダーストラップが交差して、

後ろのボタンに繋げているスタイル。

 

さらにこの形を進化させたバージョンとして…

キャンバス・オーバーオールズ

フロントビブのアップ。

小さなポケットが付くのみで、生成のキャンバス素材。

バックスタイルのシンチバックルが形状違い。

某有名デニムメーカーのオーバーオールと同様、

センターに布ネームをあしらってみました。

 

もしくは結構軍モノ方向に寄せて作った、

モールスキン・オーバーオールズ

フロント部分は実に簡素、腰ポケットのみ。

バックスタイル。

フロントビブにはストライプの裏地付き。

ピスポケットは斜めに切り込み、

やはりバックストラップが付きます。

 

更に軍モノシフトした、デッキ・オーバーオールズ

これは、デッキジャケットM-1943のボトムとして生産。

独特なフックパーツはオリジナルと同じ物を採用。

U.S.NAVYのステンシルは、

敢えてオリジナルに忠実に「銀色」を使っております。

 

 

そんな天邪鬼なオーバーオールズ・ラインナップに、

王道のクロスバックが加わりました!

フロントビブのアップ。

ストラップは今までよりも広い、40ミリ。

ビブポケットはフラップ付きポケットと、

ペン差し付きポケットウォッチ用の2種類。

ベルト下に付くループは、ウォレットチェーンタブ。

 

バックスタイル。

クロスバックと呼ばれる、大きな菱形を描く後ろ姿。

このクロスバックという形の服(というか形状)について、

最近の科学的見解では…

腰骨から肩甲骨、腕にかけて繋がっている筋肉を導く効果があると、

分かってきたらしいです。

戦前に日本で見られていた「襷掛け(たすきがけ)」で重い荷物が持てる事を、

科学的に解明しようとしている人がいるらしい。

有名な大学教授の他に古武術の達人などが研究チームに加わって、

理論的に解明されつつあるらしいです。

という事は、襷掛けに近い形状のクロスバックオーバーオールズにも、

同様に作用がきっとあるはず。

昔の人はそういう事を、人間工学的に理解していたのかもしれませんね。

右側にはハンマーループやキャンドルポケットも。

こう言った細かいディテールが満載な逸品。

 

更に特筆すべきは、この素材!

表側から見た、ポケット部分。

ネイビー色のインディゴ地に、

白くネップの様な節糸があるのが見えますかね?

念の為、裏側からの写真もアップ。

裏側から見ると、

白い節糸の他に黒い点々の様なインディゴ色の節糸も散見。

これは染める前の糸が凸凹だから、

染まり辛かったり染まり過ぎちゃったりしているのです。

そんな糸を強引に織り込んでいくと、

この様に節糸が表面や裏面に出てきちゃいます。

いわゆる「ムラ糸デニム」という奴です。

この生地はデッドストックで10反ほど出たので大人買いしたのですが…

もしかしたらこの「ムラ糸感」が激し過ぎたから、

デッドストックになってしまったのかもしれません。

ドライボーンズにとっては、うってつけなんですが。

こんな生地、滅多に出ないです。

お早目に。

 

 

 さて。

このオーバーオールズ、自分用に1着確保しました。

裾上げが終わり次第、

我が農場管理で活躍させていきたいと思います。

急ぎの作物は、これ!

なんと、大事に育ててきた「さくらんぼ」!

今年は鳥との戦いに勝たねば!

あ、オーバーオールは必要なのか?…(汗)

ではまた!