2022年春分の酒丸。

 

 三月二十一日の春分が過ぎました。

この日、私はお隣さんが手作りしてくれたぼた餅をいただきました。

日本では、春分の日に「ぼた餅」を食べる事が一般的。

餅は五穀豊穣を願う食べ物、

そして小豆は魔除けの象徴。

ところで皆さんは…ぼた餅とおはぎの違いは知っていますか?

この写真のモノはぼた餅で、

春に咲く牡丹にちなんで「牡丹餅」と書きます。

それが訛って、ぼた餅となっていきました。

基本的には球に近い形状で漉し餡。

それに対しておはぎとは、

秋の花である萩にちなんで「おはぎ」と呼ぶのです。

萩の花に似せて楕円形で、粒餡。

このあんこの違いがポイント。

秋の作物である小豆は収穫したばかり、

すぐに使える柔らかさなので粒餡にします。

春分のぼた餅は小豆が硬くなるので濾して使う為、漉し餡になるのです。

このぼた餅、甘塩っぱくて美味しかった!

日本の小鳥舞う春分の日、風情がありますね。

 

 

 さて、今回の私のブログは…

暖かくなって来て上着を脱ぐシーンも増えるであろうと思い、

初めて「サスペンダー」について書いてみようと思います。

 

サスペンダーという言葉は、アメリカ英語。

発祥の地イギリスではBRACES(ブレイシーズ)と呼ばれます。

日本だと…「ズボン吊り」ですね。

最近の若い人には、きっと死語w

でも実はサスペンダーは18世紀からずっと継続されていて…

20世紀になって市民権を獲始めたベルトとは、

歴史的にかなり差があるのです。

そして今でも、正装はサスペンダーなのです。

 

サスペンダーの存在意義、それは「ボトムを穿く道具」です。

ベルトが登場したのが20世紀初頭、広く流通し始めたのは1930年代。

一説には第一次世界大戦後だとも言われています。

逆に言えば、それまではベルトというアイテムはほとんど流通しておらず、

紳士はボトムを穿く際は必ずサスペンダーを必要としていたのです。

 

そしてそれはベルトが登場した後、

更に明確に存在意義が確立していきました。

それは「ボトムを綺麗に穿く道具」となっていったのです。

 

これはどういう事かと言うと…

ボトムを腰で締めて穿くのではなく、

ボトムを「肩から吊って穿く道具」として、

その後も今も、存在感たっぷりに重宝し続けられているのです。

 

ベルトでボトムを穿く場合は、

基本的にウエストサイズは選びません。

巨大過ぎても、締めて穿く事ができます。

ただしそれだと、シルエットが綺麗に出ない。

ぴったりのサイズならば問題ないかもしれないけれど、

ボトムとは股上によってウエスト位置が違う為、

モノによって誤差が出てきます。

なのでブランドによって、

素材によって、

シルエットによって、

TPOによって、

ウエストサイズを変える必要が出て来ます。

 

ところがサスペンダーの場合はちょっと違います。

「ボトムを肩で吊って穿く道具」なので、

ボトムそのものの股上の寸法さえキープ出来れば、

ウエストサイズは「ちょっと大きい」くらいで良いのです!

そう、サスペンダーを使ってボトムを穿く場合のサイズ設定は…

「股上にちょっと余裕(2センチくらいかな)を持たせて」

「ウエストはちょっと大きい(ジャストから1インチくらい<任意だけど>)くらいにしておく」

が基準。

 

それでは1920年代からほとんど変化していない、

紳士服飾雑貨の定番のサスペンダーを紹介していきます。

 

まずは、ラビットイヤー・サスペンダー

エラスティックテープは幅4センチ、

一番定番的な幅で、尚且つ肩に負担がかからない幅。

無地のテープなのでボトムもインナーも選びません。

また、素材は麻がブレンドされた綿主体。

素朴な素材感や麻独特の粗雑さが、

ワークスタイルにもバッチリ。

この「ラビットイヤー」という名前は、

装着した時のバックスタイルが「ウサギの耳」の様に見えることから命名されています。

ドライボーンズでは、もう30年以上生産販売し続けているロングラン。

たまにエラスティックテープを切らしてしまうこともある為、

在庫がある瞬間にゲットしておいてください。

 

同じくラビットイヤー・サスペンダーながら…

エラスティックテープがレジメンタルストライプになっているモノ。

太めのストライプなので、体型が細く見えます(内緒)。

コントラストがはっきりしたストライプなので、

無地のシャツやヘンリーネックとのコーディネイトはいかが?

またレジメンタルストライプと言うこともあり、

アイビーテイストに着こなしても格好良い逸品。

 

お次は2ウェイタイプのサスペンダー

これもベーシックなストライプなので、

コーディネイトし易い。

ボタン付きボトムにも対応できるし、

ボタンが付いていないボトムにもクリップで挟んで吊る事が可能。

サスペンダー初心者向けで、

今お持ちのボトムにも対応します。

ただ、何度も同じ場所をクリップで挟むと生地が傷んでしまうので、

高価な生地のボトムには注意しましょう。

もちろんクリップを外して使うことも可能。

そうすればクラシックな伝統的サスペンダーに早変わり。

 

トラウザーズばかりではなく、

デニムやチノクロス・軍パンなどにも合わせ易いのがお好みですよね?

これはノーマン・ロックウェルのイラストだけど、

サスペンダーで吊りつつ、

後ろのバックストラップでキュッと締める事で、

安定した穿き方にも出来ます。

 

オススメはこんなタイプ。

ロバスト・サスペンダー

ROBUSTと書き、

「堅牢な、屈強な、丈夫な」みたいな意味合いを持っています。

約3ミリ厚のカウレザーを型抜きしたボタンホール部分は、

堅牢そのもの。

デニムやレザージャケット同様、

経年変化が楽しめるサスペンダーです。

 

こんなバックストラップが付いているデニムで、当時の人は使用していたんでしょうね…(遠い目)。

 

時代的には、こんなイメージ。

無地のシャツの場合はストライプのサスペンダー、

柄物シャツの場合は無地のサスペンダーが多い様です。

 

大御所は高級そうなサスペンダー。

これはおそらくラルフ・ローレンのもの。

グランパ・シャツとのコーディネイトが19世紀っぽくて良いですな。

股上が余っている事にも、注目。

 

 

さて。

このところ肥沃な大地をもつ東欧から、連日の悲鳴。

この小鳥パンは、この地域の春分の日の食べ物らしい。

春には小鳥が舞う肥沃な大地。

日本でも今の時期は鶯や目白、ヒヨドリやルリビタキなど、

たくさんの小鳥を愛でる事が出来ますよね。

この地域でも、早く平穏に戻ってほしいものです。