2021長月前半の酒丸。

 

 九月十日になりました。酒丸です。

今年は俄然、涼しいですね!

何でも1908年以来の涼しさらしいです。

実に約110年前、明治41年。

アメリカでは連邦捜査局(FBI)が設立された年。

 

 まぁ、そんな事とは全く関係無く…ウチの農場の話を先に。

先述の通りかなり涼しくなってきたので、

もうそろそろ夏野菜を終えて、秋冬野菜に変えていきたいんですが…

オクラがひたすら収穫出来る。

そして次のシーズンに向けて採種用も育てておこうと思い、二種類を2株、大きくしています。

本来なら大きくなった後、茶色くなって鞘がカラカラ言うようになったらオッケー。

ところが、ひたすら大きくなっていく(汗)

この写真、既に30センチ近い…。

 

 

 さて、ここで私の近況を報告。

今年引っ越した我が家は、私が18歳で地元を離れるまで住んでいた家で…

実は私たち家族がこの家に住む前は、母方の祖父母が建てた貸家でした。

1959年、フィフティーズ最後の年に建てた家なので、もう既に築60年以上。

実際、かなり傷んできており…。

内装など、住むのに大変な部分は先に修理やリフォームを行いましたが、

住み始めてから外側を見ると、けっこうやばい(汗)。

 

軒天は塩害で剥がれてしまっており、

トタン屋根の裏側から錆が盛大に開花。

風が直接当たる箇所のトタンは、もう腐食して崩れ始めてる。

困った。

以前に外装をペンキ塗りしたのは生前の父の代で、もう9年前らしい。

その時の記録も無いしどこに頼んだらいいのか?から探さなきゃ。

で、中学の頃から付き合いがある後輩に手配をお願いしたのでした。

ではこの続きはブログの後半でw

 

 

 今日のブログでの商品紹介は、久しぶりに作った新作ベルトについて書いてみたいと思います。

ウチのスタッフにも話した事がない内容も交えてみますね。

こんな型押しのベルトを作れないか?と店頭スタッフから問い合わせがあったのは、今年の初め。

 

そう、ドライボーンズは基本的にワタクシ酒丸が企画を担当していますが…

会社スタッフ、特に店頭のスタッフからの意見は重要視してまして…

スカイプには「現場からの声」というスレッドがあり、

ここに「今後作りたい・売りたい商品」の意見や写真を載せるようにしています。

私も賛同出来るアイテムであれば、どんどん生産背景を探して作れるルートを開発していく、

というスタンスをとっています。

 

そしてこのベルトの件。

まぁ、これはいわゆる「バスケットウィーヴ・エンボスベルト」とアメリカでは言われるベルトで…

籠編みの模様が金型で素押しされている柄。

かなり古くからあるデザインですが、一番有名にしたのは…

このベルト、一時期はアメリカの警察で正式採用されていたのです。

私は1980~90年代にかけてアメリカでヴィンテージを仕入れて店で売っていたんですが…

それだけでは必要な売上を確保できないので、こういった新品も業者から仕入れて卸売していました。

この写真のベルトは、当時のメーカーのカタログには「POLICE BELT」と記載されていました。

オレンジカウンティにあった革小物専門のメーカーで、MADE IN U.S.A.ながら異様に安い。

メーカーに直接出向いて仕入れる事もよくあったので、試しに安さの秘訣を聞いた事があります。

すると…

「場所もオレンジで辺鄙だし、スタッフも大半がメキシカンで人件費も安いんだけど…

一番の理由は素材が安いんだよ。

このシリーズは牛革の中でも一番安い革なんだけど、銀目の部分は本当は床(スエード)なんだ。

表革として使えない部分を圧縮して塗装してるから、傷があっても関係無く商品化出来る。

だから大量生産も可能でポリスオフィシャルにも対応できるんだよ」

と、屈託なく教えてくれた事を覚えています。

つまり、値段の安さは素材がポイントだったという事。

 

それから30年近くを経て、日本国内でこんな感じのベルトを生産してみることになりました。

当方と昔からお付き合いがある老舗のベルト工場さんに問い合わせ、返事を待つ事約1ヶ月。

「やっと金型が見付かりました!ただ、工場の生産ラインはストップしちゃっていまして…」

その金型が、これ。

ベルト幅50mmの金型で、オレンジカウンティの安物ポリスベルトとは雲泥の差。

エンボスが深く、複雑。

この両端を2.5mmづつ切り落とせば45mm幅、5mmづつ切り落とせば40mm幅のベルトになる。

金型の全体像。

両端の造詣も素晴らしい!

しかもこれなら「1本づつエンボスしている事が明確に判る」デザイン。

昔私が扱っていたポリスベルトは、もっと籠編みの柄が均一。

つまり、広幅の金型でプレスしてそれを裁断してベルトにしていたのです。

典型的な大量生産、だから安価に作れていたのでしょう。

 

今回生産するベルトの革は、タンニン鞣で進行することになりました。

ポリスベルトなどで使われている革は、いわゆるクロム鞣が大半。

この方が安い、という事もあるんですが…

ポリス納品もあるのでほとんどブラックだから、クロム鞣の方が色剥げが少なくて良いらしい。

日本で生産する今回のウチのベルトは、

タンニンの太鼓鞣にする事で適度な厚みや硬さが出る。

よってエンボスが綺麗に乗るのです!

写真の丸い形状の水槽が、太鼓と呼ばれる巨大なドラム。

手前に写っているのが原皮。

この太鼓で鞣し、その後に丘染め(革の表面の事を丘と言います)を施して茶色くします。

そしてその上からラッカー仕上げするので、経年変化していくのです。

そうやって出来たサンプルが、これ。

ドライボーンズのジーンズのベルトループなら50mm幅でも良かったんですが…

他のアイテムへの対応も考えて45mm幅に。

 

そしてバックルにも拘りました。

元々45mm幅用のバックル、特にギャリソンは少ないのですが…

その中から特に古臭く薄い形状のバックルを、真鍮無垢で生産

磨きのみの加工なので、最初こそ1920年代のPOOR GOLDですが、

あっと言う間に燻んだ真鍮色になります。

バックルを留める縫製は、ゼロゼロ番手の生成コットン

使っていくうちに、革の油脂が滲って良い感じになっていく予定。

裏にはドライボーンズのブランドネームを素押しし、

他にはGENUINE LEATHER、つまり本革を証明するエンボスと共に、MADE IN JAPANの刻印。

 

あまりに端正な顔立ちのエンボスベルトなので、敢えて見せる為に「シャツイン」をしたくなるベルト。

ドライボーンズ店頭では、専用ベルトケース入りでお渡しします。

題して、バスケットウィーヴ・エンボスベルト。
(オンラインショップへの掲載は、もうしばらくお待ちください:汗)

「箱入りの私を縛り付けて!」なんて意味合いでのプレゼントに、いかがでしょうか?

 

 

 

 前半の外装の件、続き。

結果として、その後輩が連れてきてくれたペンキ屋さんが大当たり。

「暇な時に行くので催促無しで、その代わり安くやります」という条件で契約したのが5月中旬。

音沙汰が無かったのでそろそろ電話をしなきゃ、と思っていたら、急に来訪。

「来週から一気にやっても良いですか?」もちろん!

軒天が剥がれている箇所は全部切り落として厚塗り。

トタン板も全部、三度塗りしてくれた。

しかも指定色に、錆止めやウレタンも調合してくれた。

「錆が出てきたら自分でちょいと塗れば、まだ10~15年は持ちますよ!」

と、すばらしい仕事。

 

台風シーズンだけど、ちょっとだけ安心になった。

 

ではまた。