2020 弥生の酒丸。

 今週の日曜日にも大阪店ファミリーセール告知にかこつけて、

今の日本の政策やマスメディアを批判しましたが…

本編のブログとしては一ヶ月ぶり、酒丸です。

三月、別名は「弥生(やよい)」。

弥生の「弥」の文字は「いよいよ」とか「ますます」と言う意味、

「生」は「草木が生い茂る」と言う意味で、

冬が終わって草木が大きくなっていく時期を表現しています。

そういった縁起の良い名前なので地名に用いられる事も多く、

有名なところでは東京都文京区弥生町。

そう、縄文時代の次の時代である「弥生式土器」が見つかった場所として有名。

実は私も「弥生」とは縁があって…

東京に出てきて最初に一人暮らしをした地域が、中野区弥生町でした。

近所の商店街は「川島商店街」と言う名前で、

新宿新都心が見える下町情緒あふれる場所として有名。

この商店街の一角にある貸店舗を間借りして、

数日間の催事などをやった事もありました。

ああ、懐かしい。

 さて。

今回のブログは三月と言う事もあり、

一重の羽織りモノの代表格であるジージャンについて。

特に私自身が一番好きな

「プリーテッドブラウス」

と呼ばれていたセカンド・ファーストタイプについて書いてみようかと。

まずはコレ、リーバイスのセカンドタイプ。

実際に私自身が所有しているヴィンテージ で、

手に入れたのはもう三十年近く前。

アメリカはカリフォルニア、ロサンゼルスで購入。

もうその頃は、

スリフトショップでこのレベルのヴィンテージ を手に入れるのは厳しくなってきていて…

地元のヴィンテージ ディーラーからマイサイズを分けてもらった記憶があります。

しかも、

その仕入れ道中でアリゾナまで行った際に、

スリフトショップでファーストをゲットした覚えも。

今では考えられない現象。

もうその頃には、セカンドやファーストはかなりハイプライス。

アメリカで200~500ドルくらいで買って、

日本で5万~10万円くらいの値段をつけていました。

個人的に大好きなミュージシャン、エディ・コクランも着ております。

そんなに高いジャケットだと売り辛いし、見つけ辛かったので…

いわゆる「ストア系ブランド」と呼ばれる、

当時の大手小売店や小さなメーカーがオリジナルで作った、

「セカンドっぽいデニムジャケット」をよく仕入れていました。

例えばコレ。

大手百貨店モンゴメリーワードのオリジナルブランド、

パワーハウス101のセカンドタイプ。

そう、セカンドタイプの定義とは、

前身頃に左右対になるプリーツがあり、

尚且つ左右にポケットが付くモノを言います。

ちなみにポケットが片方でバックストラップが付くと、ファーストタイプ。

このデニムジャケットレベルだと、

当時はスリフトショップで結構買えました。

この写真のブツは、

当時仕入れて売れ残り、自分のモノになったヤツ。

そしてコレ。

シアーズローバックのセカンドタイプ。

胸ポケットがヨークラインに沿ってジッパータイプになっており、

デザイン的にも個性的。

しかもジッパーが「虫出し」なのが、当時っぽくて良い。

更にコレ。

テストというブランドのセカンドタイプ。

このジャケットはプリーツがリベット留めになっていたり、

カフスがカバーオールタイプになっていたりと、見どころ満載。

一番特徴的なのは台襟で、

古臭いカバーオールをジージャンにした様な、

ちょっと捻りが効いている部分が好み。

そしてそしてコレ。

ブランド名が不明な、かなり怪しげなセカンドタイプ。

8オンスくらいのライトデニムで、

ボタンもライン22(13.9ミリ)の極小ボタン。

おそらく、当時はかなり廉価だったんだと思います。

更に更に、コレ。

もうセカンドタイプとも呼べないかもしれない、

タフナットのデニムジャケット。

タフナットは我々変態的なヴィンテージ マニアの間ではかなり有名で、

変なデザインが多い。

この形はおそらくリーの101-Jを模しているんだろうけど、

ポケット配置が変過ぎてセカンドに近付いてしまっている愛おしい存在。

他にも色々と持ってはいるんですが、今日はこの辺で。

コレくらい、私はセカンドタイプを変態的に好きなわけです。

そんな私が作る、

ドライボーンズのデニムライン「ジーン・エンジニアリング」でも、

セカンドタイプを作っています。

基本的なデザインはリーバイスのセカンド、507XXを元に。

ただし、かなり現代のシルエットに修正しています。

着丈と身幅のバランス、

袖丈やアームホールの刳りの深さ、

袖山の高さ、等々。

また、上襟と身頃の間に襟腰というパーツを増やして、

襟の落ちつきを良くしています。

コレは私物。

私が普通に春や秋に着て、何度も洗ったモノ。

ツラとしては、このブログ最初のヴィンテージ に似てきているでしょ?

襟腰とは、このパーツ。

台襟とまではいかない、後ろ側にだけ存在する中間の襟。

コレがある事で、着た時の襟の落ち着きが違う。

リーバイスのセカンドの頃には、

まだ立体裁断という概念が希薄だった為に存在していなかったパーツ。

一方、オリジナルに忠実な部分としては…

ポケットフラップ裏に使うライトオンスデニム。

1950年代当時、シュリンク・トゥ・フィットを表記していたリーバイス。

ポケットフラップの水洗い後の内輪差を、オンスを変える事で対応。

そこは敢えて、忠実にオマージュ。

私物の前身頃下部分。

四角閂で縫われたベルト部分は、アタリが出てきて良い感じ。

カフスやフラップも、インディゴの濃淡が顕著。

これからの、デニムの成長が楽しみ。

とまぁ、セカンド愛溢れる記事を書いてみたんですが…

ファースト愛も負けずに持っています。

ただリーバイスの歴史上、

セカンドの生産年数よりもファーストの生産年数の方が全然長いので…

ファーストは色んな顔を持っているんです。

王道の506XXの他にも、

大戦モデルや大きいサイズにだけ存在する通称Tバック、

更には廉価版213などなど。

なので2020年は敢えて廉価版213と201に敬意を払いつつ、

セットアップで作ってみました。

名付けて「ファーストタイプ・バジェットプリーツジャケット」と、

「バジェット・ウエスト・オーバーオールズ」

リーバイスの213(ジャケット)と201(パンツ)は、

共に1940年代頃まで生産されていた「廉価版」労働着。

当時からリーバイスは他社と熾烈な販売競争を繰り広げており、

他社を圧倒する為にデニムのオンスを下げて安く作っていたラインがありました。

このシリーズはやはり同じ労働者階級に販売しており、

通常ラインの506XXと501XXより、

かなり破れ易かった為に現存数が極端に少ないのです。

その後リーバイスは1940年代に軍への納品会社に名を連ねることになり、

コレを機にコットンの供給を上手にできる様にした結果、

通常ラインを13オンスに上げ尚且つ安定させる事に成功します。

その結果、廉価版である213と201は廃止となり…。

今やヴィンテージ業界では絶滅危惧種になっているのです。

そんな背景好きな私としては、

2019年秋に麻混の8オンスデニムをデッドストックで発見した時には、

小躍りしてしまいました。

幻の213&201を作る事が、やっと出来る!と思ったのです。

いつもはこういったデッドストックの生地が見つかる時には、

その後も同じ生地が続いて出てくるものなんですが…

今回に関してはこの1回こっきり。

なので全部大人買いしても、

上下セットアップで裁断してみたら大した量ではありませんでした。

それでもレアな8オンスデニム、しかもセルビッチ付き!

デニムジャケットには見返しにセルビッチ、

パンツには脇線に割りのセルビッチを使用、当時のものに近付けました。

他にもフラップ裏や襟裏、

ポケット袋地にはシャツ地用デニムを使ったりと、

ギミック満載!

更には…

ネームには敢えて布パッチを使い、ボタンも全て刻印無しのブラック艶消し。

100年後には、こんな状態で発掘されるのかも。