二月も半ばになりました。
二月は別名「如月(きさらぎ)」。
如月の意味は「衣更着(きさらぎ)」で、
「寒さが厳しくて、重ね着をする時期」というような意味らしい。
また別には「生更木(きさらぎ)」と書いて、
「春に向かって草木が生え始める」というような意味もあるらしい。
どちらししても「もう寒さはそろそろ終わり」、
これから暖かくなっていくというお知らせのような名前。
なので、春物の紹介でも…と思っていたのだが、
せっかくなのでそれは他のスタッフにお任せして…
今回は久しぶりに新作として制作した靴(ブーツ)について。
今回ちゃんと紹介したい靴とは、これ!
このブーツは1950年代中期頃に当時の不良の間で流行した。
エンジニアブーツの短いバージョン…
という訳ではなく、あくまで「街で履く用のイカしたブーツ」として流行。
ちなみにサンプルとしたのは、私のコレクションの1950年代のブーツ。
なんと2トーン、しかもブラック&ピンク!
そしてエンジニアブーツとの決定的な違いは、
ソールが「ただの合成皮革ソール」なのだ。
つまり、油で滑りやすい場所での使用とか、
バイクに乗ってとか、あまり考えていない作り。
そこで私としては、
このブーツでバイクも乗れるように作りたかったので…
ウラノソールにはビブラムのオイルレジストソールを採用。
「バイクにも乗れる街履き用ブーツ」として蘇らせてみたのだ。
更にオシャレ度をアップさせる方法として…
外側両脇にドレッシーなチェーンを装着したバージョンもラインナップさせてみた。
このブーツの元ネタはこれ。
これは1955年のシアーズ・ローバックのカタログに掲載されていた、
その名も「DRESS BOOTS(ドレス・ブーツ)」。
文章内には「ゴールドカラーのチェーン付き」と丁寧に書かれている。
おそらく、当時の不良な若者はダンスパーティなどの夜遊びシーンで、
チェーンを装着して遊びにいったのだろう。
当時のチェーンには、中央部にパールの様な石の様なチャームが付いていたようだ。
このチャームに似たものを探す事、数ヶ月。
東急ハンズから始まり、
御徒町のパーツ問屋や横浜の輸入服飾パーツ展示会などをくまなく探したのだが、
いい感じのパーツが見つからず。
むしろ潔くチェーンだけにして、
購入者がナイスなパーツを見つけたらそれをつけてもらいたいな、と。
ちょっとしたディテールも、紹介。
よく見て欲しいのが、このウェルト部分。
ちゃんと「ダブル・コバ」を採用。
上の段を「黒が劣化してグリーンになってしまった糸」を表現し、
下の段はウェルトを強調するオフホワイトのステッチ。
その元ネタも、先ほどのブラック&ピンクのブーツ。
ああ、写真には色が写り込まないな~。
このウェルトステッチ、上の段は若干グリーンに経年劣化しているのだ。
ただし、ステッチが乗っている台座が生成色なので見え辛い。
ちなみに下の段のステッチは、
やはり経年劣化でもう白っぽくなっちゃってるグレー。
他にもドライボーンズでは、本格的なエンジニアブーツも展開中。
こちらはグッドイヤー・ウェルト製法、
極めてちゃんとしたエンジニアブーツ。
ちなみに元ネタは…
こんな感じ。
この写真も、1955年のシアーズ・ローバックのカタログから。
このページは、本格的な機械工のためのページであった。
そして先日(2/10)には、ドライボーンズ東京店の22周年振る舞い酒も無事に終了。
ご来店いただいたたくさんのお客様、本当にありがとうございました。
そして2019年はドライボーンズ30周年ということもあり、
この振舞い酒の時に初めて「酒丸私物オークション」なる出し物もやってみた。
これが意外と面白かった。
オークションに参加してくれた皆さまも…
かなり得をした人、
かなりくだらない物を買っちゃった人、
結構良い物を買い逃しちゃった人、
それぞれ色々いたような気がします!
ワタクシは…当日来てくれた「非常に若くて綺麗な女の子」から、
バレンタインデーのお菓子をいただいちゃいました。
今年の秋冬物のセーターの配色決めを行いながら、美味しくいただきました!
ありがとうね~!
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