三月。
酒丸でございます。
啓蟄を過ぎ、三寒四温な日々。
そして暖かかった先週末、私は大阪に出張。
一番の目的は盟友ケニーが営むマッドトイズ20周年イベント。
珍しく昼間は時間があったので、
以前から行ってみたかった「大阪民俗学博物館」へ行ってきた。
予備知識無く行ったのだが…
その博物館は万博の跡地に建設されていた。
駅を降りて博物館に行く途中、初めて見た「太陽の塔」に感激!!
物凄い迫力!
岡本太郎、天才!
そして本命の民俗学博物館へ。
いや~、ここ、凄い…。
博物館の中は地域ごとに区分けされ、
アメリカ大陸~ヨーロッパ~オセアニアという感じで各地域の「民俗学」を観ていく。
圧倒的な物量、ここの学芸員の人たち、変態(もちろん、良い意味で)。
ワタクシ、途中の東南アジア辺り(全体の7割くらい)で休憩を入れないと立ち上がれなくなってしまうくらい、へばってしまった。
この博物館、オススメ。
できる事なら、ここに住みたい。と本気で思ってしまった。
個人的にお気に入りをちょっとだけ「チラ見せ」。
アフリカ北部の、呪詛の道具。
手のひらに万物の目…。
そして日本の神社に奉納された…
絵馬。
目。しかもナンバー13…。
さて。
本日は最近店頭で人気の「ブラックスーツ」を紹介。
私がこのスーツを作りたかったのは…
もちろん冠婚葬祭に着ていけるようなブラックスーツが欲しいという声に応えた部分もあるのだが…
ブラックスーツが持つポテンシャルを広げてみたいなと思った事が一番の理由。
その根底にあるのは、実はこの映画。
そう、みんな大好き「レザボア・ドッグス」。
この映画はクエンティン・タランティーノの監督デビュー作品。
公開の1992年当時「心臓の悪い方は鑑賞を控えてください」と警告が出たほど、
残酷な暴力描写が話題になった映画。
けれど、個人的にはそれほど暴力シーンは気にならなかった。
というよりも、他の部分があまりに優れていたから消されてしまったんだと思う。
その優れている部分とは、キャスティングであり挿入音楽であり演出であり。
そして何より「低予算」でもこれだけ面白い映画が作れるんだと思わせたところだろう。
そしてその低予算を裏付けるシーンが、コチラ。
ストーリーはネタバレになるので書かないでおくが、
いわゆる「大人の不良の勘繰り合い」。
その大人の不良たちが集まって、宝石店強盗を働く事が話の主軸になってくるのだ。
その強盗に行く時、全員がブラックスーツに着替えていくのである!
ところが、ブラックスーツに着替える前はそれぞれが私服なのだが…
1980~90年代のカリフォルニアン・カジュアルなので、恐ろしくダサい。
これ、全て低予算ならではの「全員ガチの私服」らしい。
一番右の「ナイスガイ・エディ・キャボット」役のクリス・ペン、ナイロンのランニングジャージ。
ダサい。死ぬほどダサい。
ところが、ブラックスーツになった途端かっこいいのである。
同様に左端の「ミスター・ブルー」役のエドワード・バンカー(本物の不良)。
ブラックスーツに白無地ワイドスプレッドシャツとブラックタイ。
カッコイイ。
中央の「ミスター・ピンク」という役名に成り下がっているスティーヴ・ブシェミ(ミスター・ボードウォークエンパイア)ですら、ブラックスーツでカッコイイ。
ホワイトボタンダウンシャツにブラックタイが極まってる。
この映画の演出の一環なのだと思うが…
80年代末期のカリフォルニアの大人の不良は、ほとんど全員私服が死ぬほどダサい。
ところが、宝石強盗という「一世一代の仕事」をヤる際には「一張羅のブラックスーツ」で全員が心を一つにして成功させる、的な背景がある中で、裏切り者が出る。
このギャップが音楽センスなどにも影響しあって、スタイリッシュに魅せるのである。
ならば…という事で、ドライボーンズ謹製ブラックスーツのご紹介。
ブラックのウーステッド素材、ジャケット・ベスト・トラウザーズの三つ揃え。
まずはジャケット。
外見は極めて普通の、3つボタン上2つ掛けナチュラルショルダーノッチドラペル。
これは裏側をボディに着せてみた写真。
内ポケットはお台場仕立てで、しかもオールパイピング始末。
更にコームポケットやカードポケットが付き、脇当てもつく。
袖口には本開きの重ね3つボタン、つまり丁寧な手仕事。
そしてトラウザーズ。
これも外見は極めて普通の、ノータックテーパードトラウザーズ。
内側は…
「カラス天狗」と呼ばれる特殊な持ち出しと打ち合わせ。
ベルト裏にはストライプスレーキを使ったラッセル付きマーベルト。
隠れたところの色使いが、オシャレ。
ベストの写真。
3つボタンジャケットを上に着た時に、わずかにVゾーンに覗くボタン位置。
6つボタンなので、一番下のボタンは是非外すように(大人の身だしなみ)。
映画「レザボア・ドッグス」では全員がブラックスーツにブラックタイ。
なので当然、ドライボーンズでも取り扱っております。
無地のように見えて実は細かい畝(うね)が入っており、シルク100%。
畝に出る光沢が、美しい。
こういった「小技」が、スタイリッシュに見えるコツ。
個人的には…
ブラックスーツにはこんな小紋柄が似合う。
大人の夜遊びに、お供させたい柄。
他にも今はネクタイが大充実!
こちらのページで吟味されたし。
そしてこんなアクセサリーも。
本開きのジャケットの袖からチラリとのぞくエロティックなカフスが不良っぽさを演出。
更には…
朗報の今週入荷、カラーバー。
なんと3型2色、計6パターンから選べる(ネットショップへのアップは、もう少しお待ちを)。
いまどき、カラーバーを6パターンも置いてるメンズショップはそうそうない。
そしてここからがドライボーンズの底力。
ブラックスーツに合わせるインナーの豊富さでは、他の追従を許さない。
例えばこんなリバティプリント。
葬式帰りでも、このシャツに着替えればすぐに街に繰り出せる。そしてモテモテ。
例えば襟が切り返し。
オープンカラーなので、是非襟をジャケットの上に出して欲しい。
ブラックの上着に鮮やかなグリーンが映える筈。
そして王道のロカビリー。
ヒョウ柄。
しかも大ぶりのイタリアンカラーなので、ジャケットの襟が隠れるくらい。
ミュージシャンっぽく見える。
個人的には…
ホワイト無地のオープンカラーシャツがかっこいい。
第二ボタンまで開けてタンクトップがチラ見すれば、昭和30年代のヤクザ映画みたいだ。
ブラックスーツのポテンシャル、是非ご堪能を。
大阪出張のこぼれ話。
民俗学博物館の物量に翻弄され、帰り道はもうクッタクタ。
足元だけを見つめながら駅へと向かった。
そうしたら…足元にも発見。
砂型で作った「太陽の塔」柄マンホール。
恐るべし、万博記念公園。
Leave a Reply