TWEED JACKETへの憧れ。

2012年最後の金曜日となりました。酒丸です。
いや〜、寒いですね…。
この寒波のせいで、ここ数年の間では一番寒い年末年始になりそう。
さて、今年最後の公式ブログ「社接」では、
「もっとも冬らしい紳士服」であるツイードジャケットについて。
実は私、ここ数年ずっと「ツイードジャケット」に憧れている。
ドライボーンズとして作っているのでそれを購入すれば問題ないのだが…
毎年生産数も少なく、取りあえず店頭には出しておきたいので
シーズン終わりくらいに購入しようと思っているのだが…
毎年「完売」してしまう。
もちろん、非常に嬉しい事なのだが…
「自分が最高の消費者」という名目でモノツクリをしている以上、
そろそろ「憧れのツイードジャケット」を購入したいな、
と思っており。
そんな最中(というか昨年の年末:洋服屋の企画は1年前には始まっている)、
こんなテレビ番組を見てしまった。
「美の壷」というNHK教育番組で、ツイードを特集したのだ
この番組の中で紹介されていたのが、
なんと岩手県で生産されているツイードだった。
イギリス製のハリスツイードこそ最高級だと信じていた私には、
非常にショッキングな番組だった。
純日本産のツイードが未だに生産されていたなんて…。
日本人は大昔から、衣類の素材としては「麻」を利用していた。
(高級な衣類では「絹」を使用)
その後、大陸から「棉花」が入って来て、
自国内での栽培が可能になり、
江戸時代中期頃には一般の人でも綿製品を着る様になった
ところが…
私自身「棉花」を育てていて解ってきたのだが、
和棉は基本的に「暖かい、日照時間が長い地域」でないと育たない
おそらく江戸時代の東北や北海道では、ずっと麻素材しか出回らなかったのだと思う。
(今の様に流通ルートが整備されている訳では無い)
東北や北海道の寒いエリアで麻素材の冬服は厳しい。
その結果として、
麻素材を高価な綿糸で貼り合わせてゆく「刺子」という文化が育ったのだと思う。
その後の明治維新以降、英国との貿易も始まり、
羊毛が輸入される様になり、
また自国内でも「牧羊」が始まり、東北地方に根付いていったらしい。
それが100年以上も続いていた事になるのだ。
番組の後半では、
おじいさんが昔から持っていたツイードジャケットの寸法直しをする。
何とそのジャケットは、おじいさんの奥さんが若い頃に織った生地だという。
いつか「自国産ツイード」でジャケットを作ってみたいなぁ
(今はまだ値段が無理っぽい:汗)。
英国の名門ハリスツイードも、
親子から孫へと3世代に渡って受け継がれている物もあるらしい。
(詳しくはコチラ:傾奇物「TWEEDをTWEET。」
それくらい「普遍的なアイテム」であり、「ツール」で有る訳だ。
スコットランドの西、ハリス島で未だに手織りで織られているハリスツイード
その誇りとして、生地3ヤードにつき1枚、
必ずハリスツイードネームが付く。
ちなみに今年のハリスネームはこのデザイン。
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昨年使用したハリスツイードは、茶色のホームスパン。
結局シーズン中に完売してしまったので今年も生産する事になった。
今年はちょっとグレイッシュなタッターソールチェックで、かっこいい。
しかも今までとは違う重さの、ミディアムウエイトが発注出来た!
(日本国内に流通しているハリスは、フェザーウエイトと呼ばれる最軽量がほとんど)
ところが…
生地を発注したのは3月なのに、ウチの会社に生地が届いたのは11月(涙)。
それから裁断して縫製して…
やっと納品になったのが先週末。
この一番寒い時期に滑り込みセーフ
なのでやっと紹介!
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ベージュがちょっとグレイッシュになった様な、
絶妙な色のタッターソールチェックツイードジャケット
形は極めてスタンダードなノッチドラペルシングル3つボタン
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ポケットフラップ部分をアップで。
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完璧なまでの柄合わせ
ストライプは縦方向だけなので柄合わせしやすいが、
チェックの場合は縦横両方が合わないといけない。
ここに裁断職人の技が光る。
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内ポケット部分に番号を振ってみた。
1がカードポケットと呼ばれる、名刺等を入れるポケット。
   この「玉縁」の細さがポイントで、「揉み玉」と呼ばれる職人芸。
2はコームポケット、その名の通りコーム入れ。
  ペン差しにも使われる。紳士服らしい箇所。
3がいわゆる一般的な内ポケット。
  基本的にはここに色々な物を入れる。
決して表のポケットに物を入れ過ぎて膨らませない様に。
紳士服として台無し。
ある程度の重量に耐えられる様に、内ポケットの周りには
表生地を使用する。
これを「お台場仕立て」といい、ここもテーラードのテクニック
オイラの憧れが全部詰まったツイードジャケット。
早く着たい。
でも納期が遅かったので、まだ見ていないお客様も多い筈。
私、もうちょっと待ちます。
実は、ヴィンテージでは数着持っていて…
その年代なりのハリスネームが付いている。
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時代に合わせてネームも変化。
今年のネームの物も、きっと数年後、数十年後には
クラシックになっている筈。
さて冒頭でも書いた様に、ことしの私のブログは今日でおしまい。
今年も1年、お世話になりました。
本当に有り難うございます。
dry121228take_8.jpg
無意味にこんな写真をアップした訳では有りませぬ。
大多数の人のところには、これに良く似た葉書が届きましたよね?
年末は31日まで営業、年始は1/2が初売りです!
(ネットショップは1/3から)
来年も宜しくお願いいたします!
酒丸

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