冬のギャバディーンジャケット。

金曜日になりました。酒丸です。
寒い日が続きますね。
きっと忘年会は今週から来週にかけてがピーク、
皆さん飲み過ぎに注意(オマエが言うな、と言われそう:汗)。
さて、本日はいわゆる「ギャバジャン」について。
ギャバジャンとはGABARDINE JACKET(ギャバディーンジャケット)のことで、
1950年代にのみ大流行した、
レーヨン素材・ギャバジン織りの表地を使ったジャケットの事。
が、1950年代中期以降のギャバジャンは、
実はほとんど「ギャバジン織り」ではなく「ベネシャン織り」なのだ。
これには理由(原因)には諸説あるのだが…
本来ギャバジン織りは軍物にも使われた丈夫な生地の織り方であり、
ツイルやデニム、チノクロス等と同じ「綾織り」の仲間。
代表的な服はバーバリーのトレンチコート(あれは綿だけど)と
思って貰えれば、解り易いだろう。
つまり「男らしい強固な服地」だった訳だ。
対してベネシャン織りとは高密度な「朱子織り」であり、
光沢感に富み、重量もある。
朱子織りにはサテン、モールスキン、ベルベット等がある。
つまり、高級感溢れる素材なのだ。
そして何より「プリントの発色が良い」事が特徴。
1920年代にはコットンギャバジン素材のショート丈ワークジャケットが
誕生しているのだが、
第二次世界大戦を経て裕福になったアメリカは、
素材をコットンからレーヨンに、
織りをギャバジンからベネシャンにグレードアップし、
更に「若者受け」する様に様々なプリントを入れて発売
これが当時「大流行」したのだ。
但し、素材がレーヨンなので肌触りが冷たく、
始めのウチは主に西海岸の温暖な地域で流行していた。
1950年代にはこの「冷たさ」を克服するために
キルティング裏を付けて「冬のスポーツウエア」として進化していった。
この「スポーツ」とつくところがポイント。
1950年代、時間的に余裕が出来始めた大衆にとって、
「裕福=スポーツを楽しむ」という構図が完成されたのだ。
ちょっと自慢のヴィンテージを1着見せる。
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1950年代中期の、
キルティング入りのリブ襟ギャバジンジャケット。
なんとブラック&ピンクのレアな逸品。
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右袖にのみチェーンジッパー付きのポケットがある。
これは当時「チケットポケット」といって、
主に「モータースポーツ系ジャケット」についていた仕様。
おそらくこのジャケットはホットロッド等のカーレース系や、
モーターサイクルジャケットの様に着られていた筈。
そしてもう1着、ヴィンテージを。
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50’S好きならみんな知っている、サンダーバード柄
この個体は裏キルティング仕様で、
やはり冬のスポーツ用。
「雷鳥柄」なので、おそらくスキーやスケート等の
ウインタースポーツ向けとして作られたのであろう。
なので、ドライボーンズなりにレアに復刻!
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サンダーバード柄フーデッドジャケット
こういったギャバジャンでフード付きの物は非常に珍しい。
が、映画「ラヂオデイズ」の中のワンシーンで、
子供がアーガイル柄フーデッドジャケットを着ているシーンがある
また、私自身も今から約30年前に一度だけ、
コレクターが所有しているのを見させてもらった事がある。
それくらいレアな、コレクターズアイテム。
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当時の物よりも進化させた点として…
フードはジッパーで取り外し可能とした。
そしてフードを被った際にはチンストラップで防寒性をアップ
フード裏にもボアを配して、より古臭く演出。
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ジッパーはドライボーンズオリジナルの引手。
1940〜50年代のコンマーを意識して製作
この写真からも解る様に、
ジッパーが身頃生地を噛まない等に凧糸のパイピングを施してある。
裏地にはキルティング加工をし、
しかも使い勝手が良い様に内ポケットもつけてみた。
更にヴィンテージを紹介。
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ショート丈ではなく、ハーフ丈になったスキー用ジャケット。
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タグにある「スポーツ・チーフ」というブランドは、
かなりこういったシリーズを当時作っていた。
その中でもこの個体は、
ハーフ丈、スキーヤーのプリント、
スノウフレイクというネーミング、裏地に雪の結晶柄という、
「スキー専用ジャケット」として作られた。
なので、やはりドライボーンズらしく進化させて復刻!
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スキープリントギャバジンジャケット
着丈やプリント、仕様は殆ど変えずに…
身頃色をグレーからブラックに変更し、
襟ボアを付けてみた。
しかもこのプリント部分、なんと「手捺染」
余りに1着当たりに使う量が少ないため、
当時の様にオートメーションでは作れない。
なので職人の手に依るハンドプリント!
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裏地のスノウフレイクパターンは、
ヴィンテージを見ながらワタクシ自らがイラレで描き起こした力作。
寸法、配置、染料の濃さ等、ほぼ完璧
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そしてスキージャケットという事で、
ヴィンテージには袖口部分にリブが採用されている。
このリブ、よく見ると凄い編み方!
軍物でたまに見られる「段編み」という特殊な編み方で、
身頃部分から先端にかけて編み方が変化し、
肉厚の表地と防寒性が欲しい先端部分の両方に対応させている。
M-422AやB-15、MA-1等に使われている特殊な編地
尚かつ、身頃との対比の為か、
レッドとイエローの糸を交互に表面に出す立体的な編み方
本来こういった2色使いの場合は「引き揃え」という編み方にする事が一般的。
が、そうしてしまうと均一な杢調になってしまい、この感じは出ない。
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が、ドライボーンズとしてはその編地すら完全復刻。
更には…冒頭に紹介したモータースポーツ系の
チェーンポケット付きチケットポケットも配備
ヴィンテージの良「いトコ取り」、これぞネオヴィンテージ
1950年代、化学繊維であるナイロンが一般化する前は、
贅沢にもレーヨンの様な合成繊維でスポーツウエアを作っていたのだ。
1950年代のアメリカ、恐るべし。
さて、本日12/21金曜日は…
マッハ仲間で忘年会。
なんと全員がKAWASAKI 750SS乗りという変態の集まり(笑)!
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飲みながらのマッハ談義、楽しいんだこれが!
ではまた!

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