キングとの邂逅。

約一ヶ月のご無沙汰でした、酒丸です。
今日はいつもの陰謀話ではなく…
先日、ついに起こってしまった出来事の詳細を書いてみようと思う。
(陰謀話の続きは、また来月から再開する予定)
話は昨年の11月ごろまで遡る。
11月、春夏物の打ち合わせを錦糸町で行っていた時に、
飲み友達から急な電話が入った。
「ちょっと時間作れないかな?相談したいことがあるんだけど」
何か深刻な内容なのかと聞き返すと、
そういうことじゃないんだけど、酒丸さんにしか相談できない内容だから、という。
じゃあなにはともあれ至急会おうということになり、
錦糸町からまっしぐらに代官山店に向かい、
店で落ち合うことになった。
彼は音楽関係の会社を営んでおり、
とある大物ミュージシャンの35周年記念グッズについて本人に提案したところ、
快諾を得たらしい。
ところが、それを生産できる会社に心当たりが無かったらしく、
ウチに話が回ってきたのだ。
その後ファンクラブの代表者と何度も話し合いを持ち、
先日やっとサンプルが完成。
そしてついに、その人物とお会いすることになった。


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その方とは、鈴木雅之さん。またの名をマーチンさん。
シャネルズ、ラッツ&スターのリーダーにして
ソウルの帝王、キングオブラブソング
中野サンプラザでのコンサート後、ご対面。
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約3時間もの長丁場の公演後、
全く疲れたそぶりも見せず対応していただいた。
往年の「ランナウェイ」や「め組の人」から
50〜60年代のオールディズ、
そしてもちろん最新のラブソングまで、
全く飽きさせない「あっという間」の3時間。
そして珠玉の3時間
でも昔は…
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似たようなヤンチャな十代を過ごしていた人たち。
では今回の35周年記念ジャケットを具体的に紹介。
これが表。
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マーチンさんが描いたラフ画から興したスケルトンマイク。
裏は…
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ドゥワップのレコードをモティーフに、
音符や「キングオブラブソング」と刺繍。
これが背中の原画。
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私は基本的には、デザイン画はパソコン上で描くようにしている。
その方がデータとしてやり取りできるので楽なのだ。
が、スカジャンの刺繍に関しては別物。
糸の走り方なども絵として表現してあった方が工場さんにも分かりやすいので、
数年に一度のスカジャン下絵は画用紙に原寸大で手描きするようにしている。
フロント刺繍下絵。
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色を入れる前のもの。
機械的なものをスカジャン用刺繍として描くなら、
できるだけ「有機物」のように描きたいので、
定規などは使わずに全てフリーハンド。
この方が絶対に古着っぽく出来上がる。
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ちなみにこの絵がマーチンさん直筆のラフ画。
さすが毎日見ているだけあって緻密。
このラフ画を元に上記の下絵を描いた。
そして色つけ。
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「地色はネイビーで」という指示があったので、
紺色だけ絵の具で塗って刺繍部分は色鉛筆で描く。
この時、糸の走り方も一緒に描くので同じ色を使っていても立体的に見えてくる。
一番悩んだのはレコード部分。
本来プラスティック素材なので、糸を走らせると「謎の楕円形物体」に見えてしまう。
なのでこの部分だけ「別素材」で対応することにした。
メーカー廃番の素材だったが、運良く量産分だけ確保
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金属素材を立体的に見せるため、
微妙に色が違う糸を、走り方を変えて刺繍することにした。
マーチンさんが35年に渡って向かい合った相棒を上手に表現できるか。
腕の見せどころ。
そして堂々の完成、刺繍のアップ。
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素材は50年代のスカジャンに似たキュプラサテンを使用。
当時のものはレーヨンアセテート素材だが、今は手に入らない。
同じような質感と光沢を持ち、合成繊維という特殊な性格も一緒。
マーチンさんの希望を受け、襟型はショールカラーとした。
なのでリバーシブルには出来ないので、裏地もキュプラで対応。
鈴木雅之さん35周年記念エンブロイダードジャケットbyドライボーンズ、
当然限定生産
マーチンさんのファンクラブ会員のみでの販売予定…
だったのだが、マーチンさんとファンクラブのご好意により、
ドライボーンズ各直営店とドライボーンズ取扱店でも購入可能
但し、納品そのものは11月末頃を予定。
確実にそれまでに予約が埋まってしまうので、要予約
¥59,000+tax。
実はワタクシ、シャネルズデビューからの大ファン。
私は中学3年の時だった。
雑誌バンドワゴン内の連載「ミクロコスモス」でも書いたが、
地元でロックンローラーのチームを作っていた時はかなり真似もしていたほど。
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中央ヒョウ柄ジャケットが1986年の私(汗)。
何を真似たのかというと、白い手袋。
マーチンさんは手袋の上から指輪をしているのが印象的だった。
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この歌でデビューした時、テレビ番組で指輪を発見、
早速真似したのも、もう懐かしい思い出。
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その後に出したシングル「ハリケーン」では、
マーチンさんがピンクのゴアスリッポンを履いていた。
当時「あ、この靴は…!!」とすぐに気づいた。
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やはり当時憧れのアーティストだった中山泰さんが、
雑誌の取材時に履いていた靴と同じゴアスリッポンだった。
今ではその中山さんに、当方の雑誌バンドワゴンのアートディレクションをお願いしている。
確実に近づいていた訳だ。
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若干変更しているものの、
こんなゴアスリッポンも近日入荷予定。
きっと「キングとの邂逅」は私の人生の中に仕組まれていた必然だったのだ、と思った。

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