十一月、霜月最終週の金曜日、酒丸です。
晴れているとはいえ、もうすっかり寒い。
会社近所の一枚だけ残った桜の葉も、真っ赤。
空の青色とのコントラストが綺麗。
さて、先週の続き。
明治維新の裏側を、平成の今から覗いてみる。
では先週もアップした、
長崎の出島の絵をよく見てみよう。
島の右側に、旗が立っている。
これはまぎれも無くオランダ国旗。
当時の江戸幕府は鎖国令を敷いていたとはいえ、
オランダとは貿易をしていたのである。
その国旗の麓には西洋的な建物が二棟立っている。
これが有名なオランダ東インド会社の倉庫。
元々出島とは、
幕府がポルトガル人を管理する目的で作られた。
その後オランダ人が幕府と交渉し、
宗教活動や武装を制限されつつもオランダ人が使用していた。
一八五九年、長崎に辿り着いたのがこの人。
トーマス・ブレイク・グラバー。
この写真は年老いてからの写真だが、
到着当時は弱冠二十一歳。
この若きオランダ青年は、
長崎に到着後すぐに、
ジャーディン・マセソン商会の代理業を始める。
ジャーディン・マセソン商会とは、
清国のアヘンを売って財を成した巨大な英国商社
(今でも存在している会社である)。
アヘン戦争の張本人でもあり、
東インド会社の後を引き継いだ会社なのだ。
彼は貿易で莫大な富を作り、
長崎県の郊外に邸宅を持った。
日本の素材を使いつつ、
実に見事な西洋建築。
そして夜な夜な、
この建物には若き武士達が出入りする様になった。
さて、ここで新作商品の紹介。
そんな時代から二十世紀初頭まで使われていたのが懐中時計。
その懐中時計を懐から守ったのが、フォブチェーンというモノ。
ドライボーンズでも数年の構想と準備期間を経て、
やっと完成!
このフォブチェーンは、多くのパーツから成り立っている。
まずオリジナルで型から作成したのが、
マンテルと呼ばれるボタンホールに通す棒状のパーツ。
ブランドとして判り易く、骨(ドライボーンズだけに)の形。
そして3つのチェーンが交差する部分の和環にも、
ツイストを入れて燻したブラスの環を作成。
フォブ(飾り)部分は現時点では四択できるようにしてみた。
大きめのロケットを選ぶなら写真を入れておいても良いし、
常備薬や秘密のメモくらい入れられる。
十字架は二種類。
ブラスの無地と、ダイキャストのキリスト像。
キリスト教徒で無くても、
クリスマスを祝う習慣がある人なら「アリ」でしょう。
もうひとつはブラスのクリップ。
このパーツならば、ポケットに引っ掛けたりも出来る。
そして先端のフックは二択。
キーホルダータイプとナスカンタイプ。
お好みに合わせて決めて下さいまし。
左側は、ダイキャストキリストにキーホルダー。
右側はロケットにナスカンを付けてみた。
現時点では店頭でのオーダーのみ、受け付けております。
ネットショップでの購入をお考えのお客様、しばらくお待ちを。
(オーダーメイドできるシステムじゃないので)
そして、一部のお客様からは「どう使ったら良いのか?」という質問。
なので、判り易い「拾いもの写真」で説明。
これは正統派の使い方。
ボタンホールにマンテルを通し、
フォブをぶら下げて、
フック部分に懐中時計を付けてポケットイン。
この人のチェーンはフォブが付いていないバージョンだと考えられる。
ジャケットのフラワーホールにマンテル(この人の場合はリング)を通し、
懐中時計を胸ポケットに仕舞っている。
奇抜な例としては…
この女性の様に、ネックレスとして使うのもカッコいい!
この人の場合は、フォブとマンテルを同じチェーンに移動させて、
フック(この場合はリング)をチェーンに付けている。
しかも二連にする事でゴージャス感が出ている(しかもブラックパール!)。
そんな色々な使い方が出来る。
なので私も自分用をひとつ作ってみた。
ドライボーンズで作っているワーク系アイテムには、
大抵の場合フォブチェーン用ボタンホールがある。
なのでそこに裏からマンテルを通し(骨が見える様に)、
懐中時計は胸ポケットへ。
そしてフォブ部分には、コレクションのチャームを。
一九二◯年代の、秘密結社オッドフェローズのアイテム。
こんな「隠れた裏技」も、アリ。
ちなみに、着用しているヘリンボーンのワークベストもドライボーンズ製。
残り僅か。
さて。
江戸後期に長崎に家を構えたグラバー。
そこに夜な夜な集う武士達は…
実はこの部屋に通されていた。
廊下の天井にあいた穴。
ここからはハシゴが出て来る様になっており、
上にある隠し屋根裏部屋に通されていたのだ。
それはなぜか?
長崎奉行に見られてはマズいメンバーが、
聞かれてはマズい話(商談)をしていたからなのだ。
全ての事は「秘密」裏に事を運ばねばならないから。
グラバー邸の石で出来た門柱には、こんなマークが彫られていた。
直角定規にコンパスのマーク。
そう、グラバーは秘密結社フリーメイソンのメンバーだったのだ。
詳しくはまた来週!
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