1ドル紙幣。第40話。

大変遅くなりましたが…あけましておめでとうございます。
先週の金曜日はまだ三が日。
私は帰省して、約30年振りの同窓会を仕切っておりました。
恩師である先生も呼んでの楽しい宴。
結局、当時からの仲間と三次会まで飲み続けでした。
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三次会の現場!
1970年代のスナック。
かなり格好いい。
え〜っと、では12月からの続きを。
もうちょっとイルミナティについて書いておこうかなと。


20世紀末頃に作られた、イルミナティカード。
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数々の「イルミナティによる陰謀」が描かれているという、
一種の「陰謀論の根源」になったもの。
これは、当時のカード制作担当スタッフが考えうる、
「この先に起こりそうな出来事」を陰謀になぞらえて作っただけに過ぎない。
いわば、街のインチキくさい占い師と同じなのだ。
占いや陰謀論は…こじつけでどうにでも解釈出来る。
元々のイルミナティとは…
18世紀後半に、ドイツで出来た秘密結社。
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左が創始者のアダム・ヴァイスハウプト。ドイツ人。
非常に賢く、様々な事柄を科学的に洞察する人物だったらしい。
右が団体を発展させた、
アドルフ・フランツ・フリードリヒ・ルートヴィヒ・クニッゲ男爵(長い:汗)。
このヴァイスハウプトはインゴルシュタット大学に勤めていた。
当時のこの大学はイエズス会の神学校、
ゴリゴリのローマンカソリック。
反プロテスタントであり、
科学的な洞察よりも神の行ないが上位概念。
つまり、科学的なヴァイスハウプトは「反イエズス会」であり、
校内の他の教師と対立ばかりしていたのだ。
ところが、当時のローマ教皇であるクレメンス14世が、
イエズス会の腐敗を手を焼いて解散を命じた。
その結果、
イエズス会の反目であったヴァイスハウプトが形勢を逆転し、
教壇に立つ事になった。
が、校内ではやはり旧態勢力の方が強く、
何かと虐げられていたらしい。
そこでヴァイスハウプトは、数人の同僚や生徒達と共に
「バイエルン啓明結社」という秘密結社を設立、
自分の科学的な考え方や物事の見方を説いていった。
その秘密結社が、のちの「イルミナティ」となるのだ。
つまり、最初は「討論サークル」的な集まりだったのだ。
ヴァイスハウプトは、
イエズス会からのバッシングから姿を隠す為に、
「当時ヨーロッパで流行しつつあったフリーメイソン」を真似ようと考えた。
ヴァイスハウプトはミュンヘンにあったフリーメイソンに入会し、
組織体制を真似し、運営方法を導入していった。
その当時、
やはりフリーメイソンに加入していたクニッゲ男爵と交流を持つ様になり、
クニッゲもヴァイスハウプトの考え方に共鳴、
この二人がイルミナティを大きくしていった。
クニッゲは「男爵」とある様に貴族としての位も高く、
人脈も幅広く持っていた。
クニッゲ男爵が信用する団体ならば…という事で、
イルミナティへ加入するメンバーが急増、
最終的には2500人もの団体になったという。
ところが。
その急進ぶりを快く思っていなかった旧イエズス会のメンバーが、
ある事無い事騒ぎ立てて「陰謀論」を振りかざし、
結果として約10年ほどで解散する事になってしまった。
つまり、学校内の内紛が解散の原因だったのだ。
そしてその陰謀論だけが21世紀に至るまで続いている。
またこの頃から、マークだけが一人歩きしてしまった。
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元々は「神はあらゆる物事を見ている」という意味での
「万物の目」が、
いつの間にか「悪しき秘密結社のマーク」にすり替わってしまったのだ。
昔から、様々な宗教画で普通に描かれているマークだったのに。
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元々あった物が、見方によって変質してしまう。
これが「陰謀論」の恐いところ。
が、元が理解出来ていけば文化にもなるのだ。
さて、年末の入荷になってしまい迷惑をかけたジャケットの紹介。
このジャケットも「見方を変えると面白い」のだ
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ツイードのカーコート
ザックリした表地が温かい雰囲気。
色味はモノトーンとブラウニーの2色。
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ハーフ丈ながら、上下開きのジッパーを使っているので着易い。
ちょっと座ったりする格好の時に便利なのだ。
1950年代にはほとんど存在していないディテール。
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ポケットの袋地には起毛されたコットンを使用
ハンドウォーマーとして活躍する。
ジッパーを開ければ内ポケットもついている。便利。
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袖に付くポケットはチケットポケットという。
カーコートのデザイン要素として重要な一部。
深紅の裏地、脇下には月形布と呼ばれる吸汗性パーツも装備
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そして今回、多くの人から質問された前立てタブ
「これは何の意味で付いているのか?」という質問が多かったので答えておく。
元々、ジッパーとは軍用のブーツを脱ぎ履きし易くする為に開発された。
19世紀末頃の話。
よって、クローズタイプ(ストップタイプ)が元型なのだ。
そのジッパーがアウター等に使える様になる為には、
エンド部分が2つに分かれねばならない。
これを開発するのに、実は何十年も掛かっているのだ。
最初にセパレート(今のアパレル業界ではオープンタイプという)が
アウターに使われる様になったのはやはりアメリカ軍で、
A-2がそれに当たる。
つまり1930年代になってやっとオープンタイプが衣類に使われる様になったのだ。
(それ以前には、クローズタイプのプルオーバータイプアウターも存在する)
また、当時は衣類に使う前提ではなかったモノも多く、
上まで上げてもちょっとした弾みに開いてしまうジッパーも多かった。
いわゆる「ロック機能」が開発されたのは更にその後なのだ。
今ではピンロック(爪が出ているもの)や
カムロック(引手のカムがエレメント押さえるもの)、
ノッチロック(スライダー肩口にノッチというストッパーがついたもの)や
オートマティックロック(内部のスプリングがエレメントを押す事でロック機能となるもの)など、
多くのロック機能が開発されている。
オープンタイプ開発当時は、まだロック機能が無い物も多く、
1930〜50年代前半頃(つまり第二次世界大戦前後)は、
物資不足もあってロック機能が付いてないオープンジッパーを、
アウターに使っている物も稀にある。
その際、勝手にジッパーが開かない様に、
「タブ」で強引に留めている物も存在していたのだ。
なので…
今回のドライボーンズのカーコートは…
そういった歴史背景も認識しつつ、
シッカリとロック機能を持ったジッパーを使い、
尚かつタブもデザイン要素として取込んで、
更に上下開きでハイテク化してあるという逸品なのだ!!
「文化」が育まれる、という事は…
色々な歴史背景を科学的に理解しつつ、
敢えて外したりしてみるところにあるのかもしれない。
イルミナティが残した文化の中には「万物の目」があった。
これは元々宗教画で使われていた物だが、
結果として多くの秘密結社が使う事にもなっていった。
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このメダルデザインは、フリーメイソンのフロリダロッジのもの。
万物の目の他にも…
コンパスと直角定規、
市松の床、
2つの石柱や黄色の星が描かれている。
コンパスと定規は石工の道具であり、
コンパスはその円を描く事から「行いを円の中に治めよ」という意味を持ち、
直角定規は垂直を放縦、水平は抑制を意味し、
直角に交わる事で適正な関係を表している。
市松の床は人生に置ける陰と陽、
つまり善と悪を象徴している。
2つの石柱はヤキンとポアズという。
ソロモンの神殿を意味し、
人生の入り口を意味している。
その上には地球と天球が乗っている。
これは世の中の二元性を描いてある。
黄色の星は宵の明星である金星、つまり啓明を意味し、
それら全てを神は見ている、という図なのだ。
その目を陰謀論を元に悪意を持って描くと…
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こんな神秘的なデザインになったり。
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羽をくわえて多数描くとこんなに禍々しくなる。
これも文化。
さて、イルミナティについては満足いただけたかな?
来週からは、フリーメイソンの根源とも言われるテンプル騎士団について書いていこうと思う。
お楽しみに!

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