1ドル紙幣。第31話。

ジワジワと進む台風27号接近中の金曜日。
酒丸でございます。
今週はドライボーンズ春夏物展示会でした(というか、今日まで開催中)。
フェイスブックを見てくれていた方には少しだけ新作を見ていただきました。
コレから仕込みに入りますので、よろしくです。
各店頭ではサンプル写真も見られますので、
行ってみて下さいまし。
では本日も、
いつもの「1ドル紙幣の裏側」、
つまり「アメリカ国家の裏側」
について。
先週はアメリカの国家間戦争についての考え方として…
「制空権」と「諜報機関」を駆使して
2回の世界大戦を制覇、
それは「科学への啓蒙」が推進力になり、
その後に産業や金融、軍事にも応用されて繁栄してきた、
という事を書いた。
これらにまつわる話をいくつか纏めておく。


ちょっと話は時代的に遡る事になるが…
全世界が「自国の文化を御披露目しあって交流しましょ」的な会が、
19世紀半ばに始まった。
いわゆる「万国博覧会」、通称「万博」である。
第1回は1851年にロンドンで開催され、
第2回は1867年のパリで開催された。
鎖国中であった江戸幕府時代にもパリ万博には参加したらしいが、
この時は下見程度だったらしい。
日本が明治政府となって正式参加したのは、
1873年のウィーン万博。
300年以上鎖国していた国が初めて世界の表舞台に立ったこの時から、
世界の「日本を見る目」が変わった
「ジャポニズム」という言葉が産まれ、
のちにアール・ヌーボーという文化を形成していった。
浮世絵にフランス画壇が驚愕し、
伊万里や瀬戸の焼き物がロイヤルコペンハーゲンに影響を与え、
平等院の模型がフランク・ロイド・ライトを変えた。
アメリカという国家も、この時に出展していた。
が、ヨーロッパの文化人からは殆ど相手にされなかったらしい。
なぜならば…
基本的にヨーロッパの模倣であり、
尚かつ粗野で文化的な水準が低い「移民の国」というイメージだったからだ。
そんな中、唯一注目された品物が有った。
それが…
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これ。
コルトのM1848を始めとする
リボルバー拳銃である。
開発・販売はサミュエル・コルト。
コルト拳銃の創業者であり、フリーメイソンメンバーであった。
まだ荒野の多かったアメリカでは、
いち早く自分を守る為の道具を開発する事が急務だったので、
拳銃の開発と進歩が急速に伸びたのだ。
このM1848はアメリカ陸軍で正式採用された。
つまり「武器」としての進化を担ったのだ。
その後…
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コルトはオートマチックも開発、
このM1911はやはり軍で正式採用され、
第一次世界大戦からベトナム戦争まで使用された。
また、アメリカの警察でも使用されるようになり、
「武器商人」としてのビジネスも大きくなっていく事になった。
1918年には、
ジョン・T・トンプソンが第一次世界大戦用にとサブマシンガンを開発。
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1921年にはM1921トンプソン・サブマシンガン
(写真はモデルガン、ネット上からの拾い物)が開発された。
ところが、もうこの時点で世界大戦は終結しており、
民間用として販売された。
時代は正にボルステッド法施行時、
いわゆる「禁酒法時代」
である。
違法になってしまった酒を、
一番近い外国であるカナダから密輸する為に
シカゴマフィア達が装備する事になってしまった。
この銃こそ「トンプソン・サブマシンガン」であり、
通称「トミーガン」、
またの名を「シカゴ・タイプライター」というのだ。
(パパパパッという音がタイプライターの音に似ていたから)
当時の警察官はコルトのオートマチックが最新、
大きな銃でも散弾銃程度の装備だった。
コレに対してシカゴマフィアはサブマシンガン!
破壊力の差は歴然である(アル・カポネも使用していたらしい)。
この秋冬物で製作したハンティングジャケット”トンプソン”は、
そんな時代背景を考慮して製作してみた。
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一応、アウトドアらしいジャケットにしたかったので定番的なキャメル色。
前身頃には大きなポケットが重なりあう様に装備
もうまるで「着るバッグ」のようなジャケット。
襟にはコーデュロイをあしらってみた。
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裏にはブランケットを使用、
背中のみに貼ってあるのでごわつかない。
しかし、背中が温かいだけで体感温度がかなり違う。
後身頃にはアクションプリーツを配置、
腕の動きが良くなる様にしてみた。
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内側にはブルーの巨大なポケット付き。
獲物を出し入れし易い様にジッパーが両サイドに付く。
そのポケットには表の腰側からも開けられるようにしてみた。
1921年の設定なのでストップエンドタイプのジッパー、
当然、「コの字留め」を使用

1930年代頃まで実在した「WALDES」の復刻シリーズ。
ポケット開閉用にドット釦も付く。
百合の紋章柄で、クラシックに。
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前身頃のポケットには二本針のリベット補強が付く。
ボタンも刻み柄の入ったクラシックな仕様
当時のマフィア達は、
「いかにもハンティングしにきた服装」で森に分け入り、
密造酒を受け取っていたりしていた(かもしれない設定)。
19世紀のヨーロッパ万博では、
自慢出来る品物が拳銃程度だったアメリカ合衆国。
その1丁の拳銃は護身用から戦闘用になり、世界大戦では武器となった。
そして国内でも兵士や警察、マフィアも使用する事となっていった。
という事で…これら「武器商人」達は、
制空権や諜報機関とも手を取り合って、
「兵器産業」企業へと変貌してゆく事になるのだ。
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この写真は、
今週のニュースでも各国から非難の的となった「無人攻撃機」。
約100年の間に、アメリカはとんでもない方向に進化していた。
ではまた来週!!

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