アメグラに想いを馳せて。

金曜日になりました。酒丸です。
ドライボーンズ各店舗のイベント「ガラガラポン!」も佳境に入って来ており、
続々と大アタリが出てきていますね!
皆さんの「引きの強さ」にちょっとタジタジとなっております。
この3連休、多くの人がいらしてくれると思いますが…
そんな中、早速入荷した新作を御紹介。
やっと入荷した、クラブジャケット「ジェンツ」
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左の写真はレッドの表側、
右の写真はブラックの後ろ側。
裾にはドット釦が付いたベントが付き、
ウエスト位置にもドット釦が付いたタブで調節が出来る様になっている。
いわゆる「カー・コート」と言われる種類のジャケット、
こういったデザインのモノがなぜカーコートと呼ばれるのか?
疑問に思う人もいると思うのでちょっと説明。
この手のジャケットは、1950年代の若者の間で流行した。
1950年代の若者は、
国が裕福になってきて自動車が各家庭でも持てる様になってきた時代。
だが「スピードを求める若者」には、当時の自動車はちょっと手が出なかった。
パパが1台持ってはいるものの…
それはあくまで家族用の自動車であり、
若者が自由に遊べる自動車では無かった。
そこで古い中古車を探し出して、
自分達でエンジンを積み替えたり、
外装を変更したりして個性やスピードを競ったのだ。
1950年代当時、金をあまり使えない若者でも買える自動車とは…
もう「鉄くず」に近くなってきていた1930年代以前の、
「流行遅れ」の自動車、つまりT型フォード等を筆頭にした
「古臭い中古車」だったのだ。
特に1920年代前半位までの自動車は、まだ開発途中であり、
フォード社が安く大量に作っていたので「最軽量化」されていた。
新しい自動車の様に内部もそれほど複雑では無く、
そして一番のポイントは「幌付き(屋根無し)自動車」
つまり「PHEATON(フェートン)」と呼ばれる安価な物だったのだ。
その為、夜な夜なスピード競争をするには…「寒い!」のだった。
その為、着丈を長くして腿まで覆う事が出来る着丈が望ましく、
リブ編み立てのヘチマ襟で、極寒の時はその襟を立てて運転
すきま風も入ってくる自動車なので、袖にもリブを付けて防寒対策をしていたのだ。
当時のカーコートは、この有名な本にもたくさん掲載されており。
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タナカリンタロウ氏の「My Freedamn! 6」。
この書籍の227pに…
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まだ「PENNY’S」というブランドネーム(この後、JCPennyとなる)の頃の
カーコートが掲載されている。
ご存知の様にPENNY’Sとは、今でいう廉価な百貨店ブランドの一種。
そんなブランドでもこの形を出していたという事は、
いかに当時、この手の形が大流行したか解る。
なので当時の雰囲気を残したモノツクリをしてみた。
まず袖。
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ウールでゴツく編み立てたリブは、折り返して縫製。
風の侵入を阻んでくれる。
ちょっと特殊な編み方で、ボディの地色が下に出てくるように表情を変えてみた。
また、左袖にだけジッパー付きポケットを配置。
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ポケット口にはパイピングを挟み込んで視認性を上げてある
ジッパーには昔ながらのチェーンが付いたWALDESを使用。
そして内側。
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ゴールドサテンに肉厚のキルティングで防寒性もばっちり
脇の下には「月形布」という、当時でいう「汗留め機能」のコットン生地が付く。
特にカリフォルニアの様に夜と昼の温度差が激しいエリアでは、
Tシャツの上からこのジャケットを羽織る、というコーディネイトも多かった。
(日本ではなかなか出来ない着こなし:気候的に)
映画「アメリカングラフィティ」の中でも、こんな着こなしが出てくる。
悪役として出てくる「ファラオ団」がそうだ。
このジャケットは、この映画から「ファラオジャケット」とも呼ばれる
そんな背景を持つこのジャケットなので…
背中の刺繍で「意味」を持たせた。
背刺繍の原画を初公開。
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このデザイン画は私がイラレで描いた絵。
1920年代調の紳士(シルクハットに鼻眼鏡)のバックには、
1950年代調のスペイシーな自動車を描いた。
実はこのデザイン、「円」と「多角形」だけで構成された「記号に近い絵」なのである。
こういった絵は「ピクトグラム」と呼ばれており、
「記号化された標識」などで使われる絵なのだ。
ピクトグラムとは…
東京オリンピックの際に一般に知られる様になった視覚記号の一種。
東京オリンピックは、
世界初の「アルファベットを日常使っていない国でのオリンピック開催」だったので、
日本語表記の案内板だと外国人には解らないし、
英語表記の案内板だと日本人が解らない。
双方を考慮した結果、「絵だけで意味が分かる様にした記号」で、
案内板を作る事になったのだった。
それが世の中に広く認知されてきたのが1970年代
つまり、今のドライボーンズがテーマとして掲げている
「205070」を、背中の刺繍で表現してみたのだ。
その原画を、刺繍で表現。
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1950年代のカークラブコート同様に、
ぐりぐりのチェーンステッチで表現(すごい針数!)。
個人的には…
ビンテージではあまり見かけないレッドを、
ちょっとオーバーサイズで着たりするが好みなのだが…
多くのお客様から事前に予約が入っていた事も有り、
実は残り僅かでございます(汗)
この3連休で確実にサイズ欠けや色欠けが起こりそうなので、
早目にお求め下さいまし!
今日の拾い物写真は、こんな感じでどうでしょう。
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フェートンよりもちょっとだけ新しい、1930年代くらいの自動車に捕まる美女
ナイスな構図!
ではまた〜!

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