1ドル紙幣。第7話。

さて、12日の金曜日になりました。酒丸です。
惜しい。1日違い(笑)
今日から改めて今までのブログの続きをちょこっと書いていきます。
が、タイトルが長くて面倒なので、もう「1ドル紙幣。」という事にします。
すでに1ドル紙幣から遠ざかっているにも拘らず(汗)…。
では、先週書いたように、
「1920年代と秘密結社」についての途中報告をば。
まず見てもらいたいのは、
この1921年のSEARS ROEBUCKのカタログから。
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1921年のこの通販カタログには、
メンズアクセサリーのページに色々な「秘密結社」のチャーム(ペンダントヘッド)が並んでいる。
フリーメイソンはもちろんの事、
インディペンデント・オブ・オッドフェローズ、
ナイツ・テンペラー、
ナイツ・オブ・ピューティアー等々。
シアーズローバックのカタログは、当時から基本的に普通に家庭に届けられていた。
という事は普通に「通販」できるのである。
これは、今で言う日本直販はおろか、
楽天やアマゾンと何も違わない。
インターネットを使って発注するのか、
電話で注文するのか、
カタログに付いている葉書で注文するのか、
くらいの差しか無いのだ。
つまり、私が言いたいのは…
「別にフリーメイソンメンバーじゃなくてもフリーメイソンのチャームは手に入る」
という事だ。
殆どの人は…
「秘密結社」なんてネーミングが付いているのであれば、
何か秘密の怪しげな儀式があって、
ソレを通過出来た者にしか入会できない、
というイメージを持っているであろう。
ところが、少なくとも1920年代にはそういう事では無かった、という事が判る。
それはどういう事か?というと…
むしろ「労働組合」とか、
もっと平たく言えば「横の繋がり」的なモノだったのだと思う。
それが良く分かる資料がある。
まずはコレを見て欲しい。
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秘密結社のメンバーでも無ければ、
沖縄でサトウキビ畑で働いている青年でもない。
ドライボーンズ東京店で働くガーヒー君である。
彼が着ているオーバーオールは、
1920〜30年代の労働着をイメージして作った

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左右非対称のポケット等、随所に個性がある。
これは「様々な業務に特化した労働着」を作っていた1920年代の特徴
やっと追加生産も上がってきたのだが、
相変わらずデッドストックの生地しか使っていないので
少量生産。お早めに
そしてこのシリーズには、袋地にこんなチケットが付く。
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当時のヴィンテージ(およそ1970年代くらいまで)のワークウェアには
かなりの確率でこういった「ユニオンチケット」が付けられている。
(ユニオンチケットについては、以前ワタクシがライトニング誌の連載「傾奇物」で書いているので、
詳しくはココをクリック!→「その六十一 ユニオンチケットについてのあれこれ。」
そしてもう1着紹介。
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やはり1920〜30年代頃に流行したプリーテッドデニムジャケットを、
ドライボーンズらしく「麻素材」で表現

特徴としては…
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激しく劣化したかのように見える月桂樹にワンスターのドットボタン(しかも2本爪)、
そして、
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ポケットにやはり2本爪のリベットを用いてみた。
19世紀にヤコブ・デイビスが特許を取った「リベット」打ち。
これをジーンズにつけたのが、当時のリーバイ・ストラウス
どちらも名前から判るように、ユダヤエリアの出身
そしてこのジャケットにも…
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やはりユニオンチケットを付けてみた。
ドライボーンズとしては、
「古臭さ」を演出する為の手段としてユニオンチケットを付けている。
が、当時なぜ「労働着にユニオンチケット」だったのか?
を考えてみる必要がある。
もちろん当時も販売戦略の一環ではあったのだが…
むしろチケットが付いている労働着を着ている「連帯感」が重要だったのではないか?と考えている。
時代背景は1920年代。
ヨーロッパで1914年に起こった第一次世界大戦は、
ドイツやオスマン帝国等による同盟国側と、
イギリスやフランス、ロシアで纏まった連合国側とに分かれ、
更にその連合国側にアメリカや日本、イタリアも加担して、
ヨーロッパ中を火の海にした世界最初の大戦があった。
アメリカ本土は戦場にならなかったものの、
ヨーロッパに派兵された兵士は産業革命以降の近代化した武器で激しく疲弊した。
更に、やはり産業革命以降の医学の発達によって、
今まで確実に死に至ってしまったような大怪我でも、生き延びる事になった。
戦争が終わって兵隊の任務が終わり、
怪我で満足に働けないような身体になっていても、
「横の繋がり」があれば、なんとかメシが喰えるという時代になってきた。
それまでは「肉体労働」としての農作業をこなさない限り、
餓死してしまうような世界だったのが、
産業革命以降の工業の発達によって第2次産業が伸びてきたのだ。
戦争から帰ってきたら、居場所が無くなっていた人も大勢いた筈だ。
しかも、戦火から逃れてアメリカに「新天地」を求めてやってきたヨーロッパ人も沢山いた。
更には、南北戦争後に南部から解放された黒人も工業に転職。
そういった人達が「自分の存在意義」を自ら見出す為にも、
「何かの繋がり」が欲しかったのだ。
それは労働組合だったり、
人種毎のコミュニティであったり、
出身国別の集まりであったり、
宗教別の教えの元だったり。
そんな中の一部に「秘密結社」もあったのだ。
これはワタクシのコレクションの一部。
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ナイツ・オブ・ピューティアーのチャーム(おそらく1930年代)。
浄土真宗のオイラが持っているのもおかしな話なのだが、
実は誰でも「横の繋がり」が重要なのだ(結果として古着屋で私が買えた)。
実はこのチャームの裏側に「恐ろしくも面白い仕掛け」があるのだが、
それはまた、いつかの機会にお見せしようと思う。
ここで、先週の6.5話に繋がって来るのだが…
ワンピースにおける「麦わらの一味」は、
基本的には「多種雑多な人種構成」である。
作者が単行本内で「ルフィはブラジル人のイメージ、
ゾロは日本人、サンジはフランス人…」と、
ほぼ全員の「国籍のイメージ」を挙げている。
これは…
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1ドル紙幣の中にラテン語で書かれている内容にカブって来る。
ピラミッドの上には13文字で「ANNUIT COEPTIS(神は我らの企てに与したまえ)」、
ピラミッドの下には「NOVUS ORDO SECLORUM(時代の新秩序)」、
そして鷲がくわえたリボンには、
やはり13文字で「E PLURIBUS UNUM(多から一へ)」
そして第6話で書いたオールドロジャーの海賊旗
ルフィが憧れているのは、
大昔に海軍によって処刑されたといわれる「ゴール・D・ロジャー」。
オールに「G」を付けて続けて読めば「ゴール・ド・ロジャー」。
そして少年ジャンプのマークは海賊。
クリームソーダのマークはドクロ&クロスボーン。
ドライボーンズも語源はもちろん「ドクロ」
今週はここまで!

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