「古きを訪ねて新しきを作り、次世代に繋ぐ」その3。

約一ヶ月のごぶさたでした。酒丸です。
9月早々に完売してしまったグリースアップマガジンのクリームソーダ特集、
やっと入荷!
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第14号となるこの「クリームソーダ特集」は、
ドライボーンズでも一回目の入荷があっという間に完売。
リュウちゃんから増刷すると連絡をもらい、再入荷を今か今かと待っておりました。
今なら各店舗に入荷していますので、お早めに!
リュウちゃんこと「リトルエルヴィス・リュウタ」氏は、同い年。
そして実は、私が「バンドワゴン」という雑誌を作るきっかけになった人物。
いわば雑誌作りの先生でございます。
今回も色々と勉強になりました〜!
さて。
今回のブログも
「古きを訪ねて新しきを作り、次世代に繋ぐ」という目的で書いていこうと思います。
そのために、再度グリースアップマガジンをご紹介。
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これはバックナンバーの第10号、
「50’Sヴィンテージクロージング特集」。
(もちろん、バックナンバーもドライボーンズで取り扱っております!)
この特集、ワタシ個人は非常に面白かったんですが…
数人から「ナッソージャケットって、なんすか?」みたいな質問を受けました。
「この本に書かれている内容だと、ヴィンテージを知っている人じゃないとわからないんですよ」
というお客様がおりました。
なので、ヴィンテージディーラーをやっていた私からの視点で、改めてちょっと書き足してみようと思います。
まず、ナッソージャケットという名前そのものにあまり馴染みがないのかもしれないので補足説明をば。
ナッソーとはバハマ諸島の首都名であり、
1950年代には東海岸の裕福なアメリカ人の、リゾート地として栄えた場所。
そういったリゾート地でスポーツをしたり寛いだりするときに羽織るジャケットとしてナッソージャケットは人気がありました。
とはいえ、私がヴィンテージを仕入れに行っていた90年代の西海岸では「ナッソージャケット」だとほとんど通じませんでした。
大半のコレクターは「ハリウッドジャケット」と呼んでいた記憶があります。
なので、私が持っている文献で「ナッソージャケット」という名前が使われていないか、調べてみました。
そうしたら、1つだけ発見。
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1955年のシアーズ・ローバックのカタログに「ナッソータイプ」という言葉を発見。
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あまりに文字が小さかったのでピンがぼけてしまって申し訳ない(汗)
ここには「カリフォルニアスタイル」とか、「ウールフランネル生地で製作」とか、
「4つボタンでパッチポケット、ボックスショルダー」とか「ボックスプリーツ付き」とか、
素材やデザインを文章で明記してあります。
当時のこの手のジャケットの場合、素材はレーヨンギャバジンの他にウールフランネルやディアスキンが数多く使われていました。
で、その中でも「ロカビリー」に関わってくるナッソージャケットが、
このグリースアップマガジンに出てくる「カーメル」や「イートン・ホール」といったブランドで発売されたジャケット達なのです。
例えばカーメルのジャケットだと…
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エルヴィスのこの写真は結構有名。
このジャケットはおそらく、レーヨンとアセテートの混紡素材にシルクをブレンドした素材。
そして、
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これもエルヴィスが着ているカーメルのもの。
素材はおそらくレーヨンかウールのウーステッド。
この写真で特筆すべきは、この着方。
4つボタンジャケットの「下二つ掛け」!
これはエルヴィスが気にしていた「なで肩」を隠す、典型的な着方。
胸部分を大きく見せ、なで肩を隠そうとしていたのは有名な話。
また、ナッソージャケットは「上襟の方が大きい」ので肩幅が広く見える。
だからこそ、エルヴィスは好んで着た可能性もありますね。
そして、最も有名な写真は、
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エディ・コクランのこの写真。
これもカーメルのナッソージャケット。
この時の着こなしは、インナーにボーダーのオープンシャツを着ています。
別のバージョンではポロシャツを着ていたり、イタリアンカラーのシャツを着ていたりすることも。
つまり、あまり堅苦しい着こなしではなく、あくまでスポーツジャケットの一環として着られていたことがわかります。
そこで今季、ドライボーンズでもカーメルタイプを製作してみました。
その名もグリッタースポーツジャケット「カーメル」
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ウール素材にグリッター(つまりラメ)を織り込んで光沢感を出してみました。
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ちゃんと「上襟を大きく」して、
胸の上部で切り替えを入れ、そこから下にかけてボックスプリーツを入れました。
当時と全く同じ作り。
色違いとして、ブラックもあり。
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ウール素材で温かみもあるので、ボトムはウール素材のトラウザースなどが良いと思います。
比較的ゆったりとした、大人の休日っぽい着こなしがオススメ。
そして。
もう一方の雄である「イートン・ホール」にも言及。
これが私物のヴィンテージ。
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カーメルとは違い、よりドレープ感のあるシルエット。
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やはり上襟の方が大きく、胸の切り替えは配色になっており。
ボックスプリーツはカーメルとは逆になってダーツの中が配色になっていたり、みどころも満載。
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ネームをアップで撮影。
左上にはテニスのラケットやポロのスティックが描かれており、
スポーツジャケットとして企画されていることが明確な感じ。
このイートン・ホールのナッソージャケットを踏襲したジャケットも、製作しております。
名付けて「2トーン・ナッソージャケット」。
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上記3色展開、ヴィンテージのものよりも若干ドレープ感をなくし、普通に着られるようなシルエットに微修正。
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このジャケットのデザインの「肝」であるバックベルトはしっかりと健在。
このジャケットも有名なアーティストが着ています。
例えば、
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若き日のストレイキャッツメンバー、スリム・ジム・ファントムが着ているのは、おそらくドライボーンズのものとは反対色のヴィンテージ。
黒シャツにループタイが小粋です。
そして、
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最近の映画の受賞で現れたジョニー・デップ。
これもおそらくイートン・ホールのナッソージャケット。
彼は本当にヴィンテージが好きなんでしょうね〜。
かなりなコレクターとお見受けします。
ナッソーのインナーにはベストにストール、イタリアンカラーシャツにインディアンジェリー。
ボトムにはブラックのスリムジーンズを合わせる辺り、上級者なコーディネイト!
そして号外。
先日、ドライボーンズの本社を「とある人物」が訪ねてきてくれました。
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日比谷野音を16日に控えた、THE MACKSHOWのコージーマック!
ワタクシと「とある打ち合わせ」をしたのち、風のように去って行きました!
さて皆さん!10月16日は日比谷野音にレッツゴー!
マックショウの素晴らしいパフォーマンスとともに、面白いものが観られます!

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