「古きを訪ねて新しきを作り、次世代に繋ぐ」その2。

約一ヶ月のごぶさたでした。
酒丸でございます。
実は先週、久しぶりに各直営店舗を視察。
以下はその証拠写真。
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水曜日、まずはドライボーンズ名古屋店到着。
普段は腕時計をしない私ですが(金属アレルギーで手首が痒くなっちゃう)、
出張中は腕時計をしていた方が便利、ということで、
ベゼルの裏までレザーで覆われている、私に優しい腕時計を装着。
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あくる木曜日、ドライボーンズ福岡店に到着。
夜は店長若杉と共に「呼子の烏賊」を堪能。
甘くて美味しかった!
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そして金曜日から土曜日にかけては、ドライボーンズ大阪店へ。
今回の出張中に眼鏡を新調したので、インスタでその報告もしてみたり。
ちなみにこの眼鏡、ドライボーンズのもので、DSE-451という品番。
また、こういった個人的な情報やお得な面白写真は、
ワタクシ酒丸のインスタで日々アップしております。
db_bwg、酒丸という名前でやってます。
ドライボーンズ&バンドワゴン、という意味の頭文字なので、わかりやすいはず。
よかったらフォローしてやってください。
できるだけリフォローさせていただきます。
さて、前置きはこのくらいにして…
「古きを訪ねて新しきを作り、次世代に繋ぐ」というブランド理念のもとに、
どんなモノづくりをしているのか?ということを、書いていこうと思っております。
また個人的に非常に興味が有る「不思議な動物ネタ」も、毎回書いていこうと思うのでお楽しみに。


今回は「エンジニアジャケット」についてご説明。
エンジニアジャケットとは、主に1930〜60年代頃にアメリカで作られていた、一種のワークジャケット。
私自身はかなり好きでヴィンテージもけっこう持っています。
が、あまりヴィンテージに興味がない人だったりすると、存在すら知らないかもしれない。
なのでちょっと説明。
私が持っているヴィンテージの中で代表的な形を2つ紹介。
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まずはペニーズのエンジニアジャケット。
これは1950年代のもので、カラーレスタイプ。
ラグランスリーヴで大きめなポケットが付いています。
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もう1着はタフナットというワーク系ブランドの、1950年代のもの。
こちらは襟付きで、セットインスリーヴ。
上の写真を見てもらえれば分かるように、
どちらも着丈が短いカバーオールという感じのもの。
元々カバーオールとはその名の通り、
上半身全て(オール)を覆い隠す(カバー)、という意味を持つジャケット。
ちなみにオーバーオールは「全身を覆い隠す」という意味があります。
そしてそのカバーオールが進化したジャケットがエンジニアジャケットで、
様々な職種や商品製作用に特化して形状が変化したカバーオール、といえるでしょう。
エンジニアとはその名の通り、
エンジンを組み立てたりバラしたり整備したり、
という仕事に特化した人達。
そういったエンジン関係の仕事についている人達に向けて作られたジャケットのことを、
エンジニアジャケットというのです。
ポケットが多いのは外したボルトやナットを入れたり、
ウエスや工具、懐中時計等を入れるため。
襟のあるなしはデザイン的な部分も大きいのですが、
カラーレスは下にシャツ&タイならばスペンサージャケットのようになるので、
工場と接客が一体になっている小さな修理工場などで着られていたのかもしれません。
ポイントは「着丈の短さ」にあります。
これは自動車のボディの下などに潜り込んでの作業だった場合、
長い着丈が邪魔になることが多かったかららしい。
また、ボトム(というかインナー)にはオーバーオールを着ている場合が多かったので、
脱いだり着たりが楽なショート丈のエンジニアジャケットが重宝されたのかもしれませんね。
そしてエンジンという物体が大衆のものになってきた1930年代頃から登場してきたジャケット、
という部分も重要。
その前の時代だと、フォードがA型で大量生産に成功したものの、
自動車そのものがまだ下層の人達には行き渡っていなかった時代。
つまり、自動車が市井に溢れてきた1930年代に、
やっと登場した「遅咲きのワークジャケット」でもあるのです。
時代背景的にそんなピンポイントなジャケットなので、
今までは一部のヴィンテージマニアにしか好まれていなかったエンジニアジャケット。
最近はカバーオールがあまりに高額で取引されるようになってきたためか、
急激に注目されるようになってきました。
なので「古きを訪ねて新しきを作る」ドライボーンズとして製作。
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ラウンドカラー エンジニアジャケット。
個人的に大好きなタフナットブランドのエンジニアジャケットを元に、
現代に蘇らせてみました。
ヴィンテージは基本的に10オンスの薄いデニムで作られていますが、
ドライボーンズとしては薄過ぎず厚過ぎない12オンスデニム、
ゴリゴリに縦落ちするムラ糸デニム。
また、ちょっとしたクラシック感を演出するためにラウンドカラーにしてみました。
1930年代の、
まだ工業製品としては粗い作りのエンジンを相手にして奮闘していた労働者に想いを馳せて。
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そしてボタンは、ラスティックな加工を施した月桂樹柄のワンピースボタン。
敢えてワンピースボタン(ドーナッツ状に穴が空いて、中央に裏からの心棒が突き刺さっているタイプ)を使用し、
更なるヴィンテージ感を演出。
そしてワークウエアは、
その昔は労働が課されている囚人服としても使われていた経歴を持っています。
ワークジャケットが出てくる有名な映画がコレ。
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名作「ショーシャンクの空に」。
スティーブン・キングの原作を元に作られたこの映画は、
ショーシャンク刑務所の中の様子が生々しく描かれています。
主人公アンディは映画の中で、カバーオールとワークシャツ、シームレスワークトラウザースを着用。
そして更に囚人服として有名なワークウエアといえば…
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こういったプリズナージャケット。
この映画は「アンネの日記」のワンシーン。
ユダヤ人であったアンネ一家が、ナチスに囚われてホロコーストに移送されるシーン。
この時は太い濃色ストライプのプリズナージャケット。
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これは「パピヨン」という、やはり脱獄系映画の名作。
スティーヴ・マックイーン演じるパピヨンは、真っ赤なストライプ柄のプリズナージャケット。
このプリズナージャケットというワークウエアは、
なぜド派手なストライプやボーダーなのか?
これは、万が一脱獄した際に見つけやすいから、という明確な理由があります。
また、逃げている脱獄囚は目立つ柄のジャケットなので「標的」にし易い、
つまり的(まと)としての意味があるのです。
なので「古きを訪ねて新しきを作り、次世代に繋ぐ」ドライボーンズとしては、
人口が多い都会で、一番「見つかりやすく」「的になり易い」柄のひとつとして…
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ゼブラ柄のエンジニアジャケットを、プリズナージャケットとして製作。
「ショーシャンクの空に」や「パピヨン」の中で描かれたように、
刑務所の中に入っている囚人はありとあらゆる方法で脱獄を企てます。
食事用のスプーンを盗み、数年間かけて延々と穴を掘ったり。
なので刑務所内では金属素材を身につけることを禁じている場合が多い。
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なので、こちらのジャケットのボタンは尿素ボタン。
しかもクラシックな刻み柄入り。
ワンピースボタンなんて使ったら、
そのボタンで壁を掘ったりされちゃう可能性があるからです。
こうやって、戦前戦中に隆盛を極めた囚人服などのマニアックなワークウエアを、
次世代の人達が理由や知識を知って繋げてくれると、嬉しいです。
ところで。
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ゼブラ、つまりシマウマはなぜあんなに派手で目立つような縞柄なのか、ご存知ですか?
上の写真のように、ちょっと枯れ気味の林や草原にいると枝の陰のように見えて目立たない、
つまり肉食大型動物に対して「保護色」になるから、という理由が生物学会の通説でした。
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しかし、この写真のシマウマのように、
ひとたび餌になりそうな下草の場所にまで出てきてしまえば、
逆に非常に目立ってしまいます。
そしてなんと、2016年の春に新しい見解が発表されました。
アフリカの一部には、ウマばかりを狙う特殊なアブ(昆虫)が生息しているらしく、
そのアブはシマウマのストライプ柄だけは識別できていない、ということがわかったそうです。
なんと、大型肉食動物用の保護色ではなく、特殊なアブにのみ効果がある保護色だったのです。
自然界は奥行きが深い。
そしてついに。
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今週末、バンドワゴンの記念すべき第10号が発刊!
お楽しみに!

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