南国酒杯。
ゴールデンウィークももう目前!
こんにちは、酒丸です。
先々週、先週から引き続き、ライトニング5月号に掲載された連載「傾奇物 その四十四:柄の由来」の続編です。これが第3部、最後なのでお付き合いください。
先々週は...1950年代のアメリカ人におけるカーテンへの考え方、
先週は大正〜昭和初期における日本人の緊張と不安からの髑髏柄について、
を書いた。
第3部は食器の「柄(というか造形)の由来」、TIKI マグについて書いてみた。
連載本誌にも書いたが、TIKIとは環太平洋上に浮かぶ島々の神様のようなもの。
古くから、土着の信仰対象として作られてきた。
丸太を削って作ったり、自然石を削ったり、溶岩を削ったり。
そうやって作られたTIKIは...
山の入り口に立たされたり、民家の軒先に置かれるようになっていった。
1940年代の太平洋戦争後半、アメリカ軍は日本軍を取り囲むように南方の島々に上陸。
マリアナ諸島を始めとして、
サイパン島、テニアン島、グアム島...更にはレイテ島、ミンドロ島、ルソン島...。
日本軍が使っていた基地を占領、改修し、滑走路を造って次に進む、という作戦をとった。
(このため、日本本土がはぼ B-29 の航続距離内に入り、東京大空襲へと繋がる)
大型爆撃機を持たず、空母から爆撃機での攻撃しかほとんど方法を持たなかった日本軍。
空母を次々に沈め、一安心していたアメリカ兵は
「ちょっとした木彫りや石彫りの像」
を見つけたのであろう。
やがて日本がポツダム宣言の受諾を表明、降伏。
南方戦線に散らばっていたアメリカ兵も続々と本国へ帰還。
その後の1950年代、ハワイはアメリカ人のリゾート地となり、お土産物もたくさん作られるようになる。
その際、それらの工場となったのが敗戦した手先の器用な隣国である日本だった。
ハワイを始めとした太平洋上の観光地では「それっぽいもの」の代表としてTIKIがアイコンとなってくる。
しかも、ただの置物としてのTIKIではない。
実に資本主義らしく...
「何かの機能を持ちつつ、お土産としてのアイコン的意味合いを持つもの」
として、TIKIの形をしたカップを作って販売したのであった。
それと前後して...
アメリカ本土、特に南方諸島と気候が似ているカリフォルニアやフロリダでは
「南方のエキゾティックさを楽しむ」大人(兵役帰り)向けのバー
が流行し始める。
戦争の為に仕方なく行った島々の思い出を、楽しく美しくエキゾティックなものに変えてしまおう、といった発想が見事に商売を成立させた。
やがてこの流行は全米に広がり、シカゴやニューヨークにまで TIKI バーがオープン。
更には全世界ネットワークでチェーン店舗展開する会社も出てきた。
そして、それらの店舗で使われる大量のTIKIマグが、日本から輸出されたのであった。
21世紀。
そういった頃に作られた TIKI マグをコレクションする者もたくさんいる。
それらを元に新しいモノを作り出す者も出てくる。
これから紹介するのは、いわば “ NEO TIKI ” というジャンルになるだろう。
そしてそれらはすべて、ドライボーンズでも扱っております。
まずは、実に資本主義らしい「機能を持つ」TIKI から。

小さくて見づらかった...(汗)
手前の黄色い台紙が付いたTIKIはキーホルダー、1個500円(4種類あり)。
その隣の黒いTIKIもキーホルダー。溶岩っぽく作ってあって1個500円(数種類あり)。
カードホルダーとして使えるTIKIは800円。
大きく写っているのはソープポンプ、1400円。

イースター島のモアイっぽい、TIKIマグとデキャンタ。
「考え込むモアイ」とタイトルをつけてあげたい可愛いデザイン。
TRADER VIC'Sのデザインのようだ。
続いて...

向かって左のグリーンのものは、DEREKというデザイナーの“THE TIKI THAT TIME FORGOTI”。
「時間を忘れた者」という名前。大木のウロをTIKIに見立てたのであろう。
向かって右はBENZARTというデザイナーの“ Vicious”。ケンカの強そうなマオリ族をイメージ。
お次はスカルもの。

向かって左はSQUID'S SQULLの“TRIPLE HEADER”。
太平洋上の原始的な種族には、呪術用に人骨を用いることも多いらしい。
向かって右もSQUID'S SQULLの“SQULL”。
マオリ族調の刺青柄がうっすらと彫られている。頭頂部にはストロー用の穴があり。
最後は首狩り族シリーズ。

左の巨大な頭はDIRTY DONNY作“HEAD HUNTER”というデキャンタで、5200円(新作!)。
後ろ髪で骨を縛っている部分が取っ手になっている。
手前の小さいモノはショット用マグで“DINKY”。
目と口部分を縛ってある、の図。パープルとライムの2色展開。
ひょろっと背の高いマグはTHOR(?)作の“Jivaro Shrunken Head”。
一級品の不気味さで、一番のお気に入り!ブラッディ・マリーがオススメ♡
その他、たくさんのTIKI関係も扱っております。詳しくはコチラ。
TIKIマグとは。
1950〜60年代のアメリカ人にしてみれば、戦争の悲劇を飲み干すための物だったのかもしれない。
1950〜60年代の日本人にしてみたら、戦後復興の輸出品。
21世紀のアメリカ人にしてみれば、過去の偉大なるローブロウな造形であり、
21世紀の日本人にとっては「おバカで楽しいアメリカ文化を飲み干す道具」でありたい。
長文を読んでいただき、ありがとうございました。
これで連載の中で書ききれなかったことがだいたい書けました。
さて、もうすぐゴールデンウィーク。
皆さんはもう、計画は立てていますか?
なに?特にない?
それはマズいですね...。
ここでコッソリ教えておきましょう。
ドライボーンズ直営店では...
GOD LOT YOU!
という名前の「大くじ引き大会」を開催!
4/23(木曜日)から、5/10(日曜日)までです。
ハズレくじは一切無しっ!!
お待ちしておりまーすっ!
追伸:ちょっとだけ残念なお知らせ...。
3月から4月にかけて入荷予定だった今夏新作のキルトタッセルシューズが、5月後半から6月になりそうです(皮革に不備が見つかってしまったため)。

GLYに向けて予約を入れてくれていた皆様、本当にすみません。
もちろん、前金をいただいているお客様は、ガンガンくじ引きで盛り上がってください!
なお、引き続き予約は受け付けておりますので、よろしくですっ!



