古きを訪ねて新しきを作り、次世代に繋ぐ。その19

約ひと月のご無沙汰、酒丸の「古きを訪ねて新しきを作り、次世代に繋ぐ」ブログです。

 

つい先週から、ドライボーンズの代官山の店でヴィンテージウエアを並べるようにしてみました。

実は数年前からやろうやろうと思っていたんですが、ストックルームが片付かず(汗)

とりあえずやっと数十点を並べてみました。

今後、減ってくるたびに少しづつ補充していく予定。

お楽しみに。

 

そして今回のブログは、そんなヴィンテージも大いに関係してくる「ウエスタンファッション」について語ってみようかと。

前回のビーバーハットとも関係してくる、長い長い歴史物語をお楽しみください(長文警報)。

 

 

 皆さんは「ウエスタン」と聞いてどんな感じを想像する?

概ね、こんな感じだと思う。

 

 私は二十代の頃にアメリカに行ってヴィンテージを仕入れ、日本で売るという商売をしていた。

その頃は1980~2000年代末期。

私自身1950年代が大好きだったので、必然的に仕入れるヴィンテージもこの年代のものが多かった。

そしてドライボーンズというブランドを興してからも、主に1950年代のアイテムを中心に「新しきを作って」きた訳だ。

例えばレーヨン素材のウエスタン・ギャバディーン・ジャケット

 

例えば派手な装飾が入ったウエスタンシャツ

 

例えば1950年代に大流行したテレビドラマの影響で作られたウエスタンシューズ

 

例えば1950年代のロックシーンを作った有名ミュージシャンが嵌めていた様なリング

 

 

 そして。

こういった文化を自分に植え付けて行ったのはなんだろう?と考えてみた。

もちろん、1980年代のアメリカ仕入れが一番大きいんだけど…

実はもっと根底に別のものがあることに気づいた。

それは、幼い頃に見た「西部劇」という数々の映画。

昔、午後2時頃から東京12チャンネルで流していた、アメリカ映画の再放送。

「アラモ」「昼下がりの決闘」「明日に向かって撃て」「砂漠の流れ者」「荒野のストレンジャー」エトセトラ、エトセトラ。

どこまでを「西部劇」という括りにしたらいいかわからないが、とにかく小さい頃からたくさん見ていた記憶がある。

そういったことが、自分でヴィンテージを仕入れに行く事にも影響していたような気がした。

日本を出発して一番西側にあるのは、アメリカ西海岸。

 

ところが。

ところが、である。

2013年から「1ドル紙幣に隠された秘密」というタイトルのブログを書くようになってから、「ウエスタン」や「西部劇」にもなんだか「違和感」のようなものを覚え始めていた。

つまり「陰謀」めいた感じを受け始めてきたのだ。

最初にアップした「皆がウエスタンっぽいとイメージする画像」とは…

白人が自分たちを美化している「西部開拓史の中のカウボーイという文化」なだけではないだろうか?と。

 

 そこで、ここ数年改めて「カウボーイ」ではなく、「西部開拓史としてのウエスタン」を勉強してきた。

 

 なので改めてここで勉強の成果の一部(ほんの触りだけ)を書き記しておこうと思う。

先月のブログ「古きを訪ねて新しきを作り、次世代に繋ぐ。その18」でも書いたように、ヨーロッパ人のコロンブスがアメリカ新大陸を見つけた事から「アメリカの文化」はスタートしている。

まぁ本当は、それ以前の数万年前から先住民であるアメリカンインディアンはその地で生活してきたんだけど。

それはともかくとして。

そのヨーロッパ人のアメリカ大陸開拓(というか占領)を、年代別に地図でわかりやすく見てみよう。

 

まずは独立宣言直後のアメリカ(前回ブログのビーバーハットの頃から100年後くらい)。

独立宣言は1776年、この地図は1789年当時。

まだ東側に13の州しかない(これが「LUCKY13」の由来だったりもする)。

それよりも西に注目。

今でいうミシガン州やイリノイ州の辺りは「Unorganaized territory」と書かれている。

これは「まだ組織化されていない地域」ということ。

その脇はスペインの植民地であるルイジアナ、西海岸はスペインの総督が統治する地域、とある。

その上の、今でいうオレゴン州の辺りは「Unclaimed territory」、つまり「持ち主不明の地域」。

 

そして約100年後の1845年。

東海岸に到達した人たちは、資源や食料を求めてどんどん西へ進んでいった。

その結果、多くの州が出来てきた。

それでもまだまだ「Unorganaized territory(組織化されていない地域)」は広い。

この縦に広いUnorganaized territoryプラステキサス州の事を「西部」というのだ。

テキサス州から上に順番に、オクラホマ、カンザス、ネブラスカ、サウスダコタ、ノースダコタ。

そしてこれらの州より西には、巨大なロッキー山脈。

この6つの州辺りの先住民を蹴散らしやっつけ、自分たちのモノにし、さらに後から来た者達と争奪戦を繰り返した歴史の事を「西部開拓史」というのだ。

 

その頃のリアルな写真。

これらを見れば一目瞭然。

先ほど出てきた綺麗なウエスタンジャケットや派手なウエスタンシャツなんて、一切出てこない。

つまり、テレビが普及し始めた1950年代からの一方的な文化(陰謀)とも言える。

それはそれでカッコイイんだけど。

 

 そういった背景を理解した上で、このところ「西部開拓史時代のウエスタンファッション」も、提案してみている。

先ほどのモノクロ写真の中の「OK牧場の決闘」の中のワンシーンでも使われているリボンタイ

 

馬に乗って荒野を進む際に必要だった、撥水加工された立ち襟のロングコート

 

 

強烈な日差しを遮るのに必要だった、東海岸生まれの素材ビ-バーハット

 

そして何より、17~19世紀の西部開拓史に残る人たちは、みんなベストを含めたクロージングスタイルスーツ)。

 

 

そしてこの春、コットン素材でもクロージングスタイルを展開予定。

その生地がこれ。

先に出来上がってきたキャスケット(ネットショップ掲載は、しばしお待ちを)。

ウォバッシュ素材

もうすぐジャケットやトラウザースも入荷予定。

デッドストック生地のため、生産量が少ないのでお早めに。

 

 

 そして更にもうひとつ。

自分の中では「異端のウエスタン物語」という位置にあるのが、このドラマ。

そう、ツイン・ピークス。

この町の保安官であるハリー・トルーマンは真面目な西部の田舎者

その演出としての衣装は、バリバリのフィフティーズ(この写真でも、ネップのウールハーフコート)。

そしてこのドラマの登場人物の一人である「ビッグ・エド」は、正装時にいつもループタイ(個人的に、このエドの役回りが好き)。

なので最近、ループタイも作っており。

 

 アメリカという国は、この「西部開拓史」なくして語れない。

ここに奴隷制度や南北戦争、ゴールドラッシュやロックンロール誕生などが影響してくるからだ。

 

 なのでまだまだ研究を続ける所存。

面白そうなアイテムが発見されたら、随時作っていくつもり。

 

 

 西部開拓史の資料を漁っていたら…

こんなカッコイイ女性を発見。

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