「古きを訪ねて新しきを作り、次世代に繋ぐ。」その8

約1ヶ月のご無沙汰でした、酒丸でございます。

この春分の日が絡んだ3連休、

皆さんはドライボーンズ各直営店舗に繰り出してくれた事と思います。

感謝感謝。

ちなみに私は、

初日だけ休日をいただいて「小江戸」と呼ばれる川越に観光。

氷川神社を皮切りに…

古い町並みを満喫してきました。

初めて行ったんですが…すごいっすね、あの街。

漆喰を黒く塗った蔵造りだけでも珍しいのに、

あれだけの数が残っている、という事がもっとすごい。

1軒だけなら観光資源にはならないだろうし、

維持していく事は大変、想像を絶しますな。

川越で頑張っている皆さんにも、感謝。

そして鰻は美味しかった(笑)

写真は氷川神社での縁起物をパチリ。

赤と金の発色が、綺麗でした。

 

さて。

そんな赤にひっかけて、まずはこの写真を見ていただこう。

ご存知、映画「ボルケーノ」。

別にこの映画を紹介するわけではなく…

今日はちょっとだけ英語の勉強から入ってみようかと。

ボルケーノは「VOLCANO」と書く。

これは直訳すると「火山」という意味。

映画ではL.A.の地下に眠る火山がいきなり噴火するという、

いわゆる「自然災害パニック映画」。

この「VOLCANO」の語源となった言葉は…

ローマ神話のウルカヌス(Vulcanus)という火の神様。

このVULCANUSを英語読みすると、バルカノス。

火の神様が転じて火山となった訳だ。

そしてこのバルカノスという言葉を語源に持つ、ファッションアイテムがこちら。

そう、スニーカー。

この写真のような「ソールがゴム素材でアッパーとぴっちり貼り付いているスニーカー」の製法を、

バルカナイズド製法、という。

 

実は…ゴムという素材は近年まで「未知の素材」だった。

1700年代までは、中南米奥地で現地人が使っていた「ネバネバして弾む変な物体」でしかなかった。

ところが、イギリスを起源とした産業革命が起こり、

蒸気機関をはじめとする「動力」が一気に発明され進化していった。

この時、その動力機関をフレームなどに載せる際にクッション材が必要となり、

植民地化されていた中南米の素材にも注目されたのだ。

産業革命とは動力が重要視されているが、

もしゴムの発見がなかったら、

今では「無用の長物」なのかもしれない。

ゴムが発見されたからこそクッションやタイヤが開発された。

その後パッキンや手袋、コンドームなどにも進化。

今では全世界で必要とされ、

生産拠点は中南米からアジアへと移り、

中国が利権を虎視眈々と狙っているのだ。

 

この「バルカナイズド製法」は、

生ゴムに硫黄と熱を加えると硬化する化学変化に注目した技術。

アッパーとソールを定位置にセットしたのち、

その間に固まる前の生ゴムを流し込んで接着し、

硫黄で満たした釜で熱と圧力をかけることでアッパーとソールを隙間なく圧着する。

この技術が開発されたのは、1800年代前半。

ところがこの製法はかなりの設備投資を必要としたので、

世の中にスニーカーなるものが出回るようになるまでに時間がかかった。

およそ100年。

バルカナイズド製法によって作られたスニーカーが市場に出回り始めるのは1920年代頃。

この時期とは正にアメリカの「ロアリング・トゥエンティーズ」、

つまり狂騒の1920年代とリンクする。

第一次世界大戦で儲かったアメリカは多くの移民が暮らすようになり、

上流階級の白人の子供たちは、

余暇にスポーツをする余裕が出てきた。

また、アイビーリーグに進学したエリート白人青年達は、

スポーツの奨励で身体を鍛えるようになっていったのだ。

だからこそ、大量に作れるバルカナイズド製法が日の目をみることになったのだ。

 

では逆に…

それまでのスニーカーの代わりになっていた履物とは?

少量ながら「手作り」で作られていたスニーカーに取って代わられる以前のものがあったはず。

それは1920〜30年代のカタログの中にあった。

これは私が持っている1930年代初期のモンゴメリー・ワードの1ページ。

バルカナイズド製法ではなく、革靴と同じようにソールとアッパーを縫って貼り合わせている。

スニーカーより前の「アスレティック・シューズ」という名前で登場していた。

ヴィンテージ市場でも、ごく稀に見つけられる時がある。

ボクシングシューズや、ボーリングシューズに近い。

実は私もヴィンテージの古着屋をやっていた時に、L.A.の片田舎で見つけたことがある。

実物の写真は見つからなかったけれど、こんな感じの靴。

アッパーはキャンバスとレザーで、ソールは木片を入れて作られたようなコルクソールだった記憶がある。

見つけたのはL.A.空港から405フリーウェイで南下し、

その後605フリーウェイに乗り換えてすぐの、CYPRESS(サイプレス)という地域。

そして企画発案から3年を経て、やっと第1号が完成!

その名も「アスレティックシューズ “サイプレス” 」!

寄りの写真。

1920年代の、エリートじゃないけどスポーツがしたかった有色人種の若者に想いを馳せて。

今ではバルカナイズド製法で作ったスニーカーの方が、全然安価。

でも、当時の職人さんが革靴を作る事と同じ工程で作った「アスレティックシューズ」の方が、雰囲気があるでしょ?

デニムやオーバーオールとの相性は抜群!

個人的にはカッチリした格好の時に「外して履きたいスニーカーっぽい革靴」として履いてみたい!

 

 

そして別件。

最近、ワタクシ酒丸は、

たまにラジオ番組に呼んでもらえるようになりました。

毎週月曜日の22時半からエフエム世田谷83.4MHzの

「スタッガーリー&コーのパイレーツラヂヲ」に出演しております。

http://www.fmsetagaya.com

インターネットラジオで聴く事ができるので、

上記URLから入って、右上の「インターネットラジオを聴く」をクリックすればすぐに聴けます!

お楽しみに!

Leave a Reply